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旧神(きゅうしん、Elder God)はクトゥルフ神話と呼ばれる一連の創作群において、主に"THE ELDER GODS"と表記される神々の日本語訳。神によっては、旧支配者たちとあまり変わらない行動を取る。 オーガスト・ダーレスによれば、クトゥルーたちを封印したりこの時空から追い出したのは彼等であり、彼等の中で唯一名前が判っているのはノーデンスだけ〔ハワード・フィリップス・ラヴクラフト&オーガスト・ダーレス『破風の窓』(「クトゥルー1(青心社)」所収)〕だという。 ブライアン・ラムレイによれば〔「タイタス・クロウの帰還」(東京創元社)〕、旧神の中で力に驕った者たちがおり、それで旧神たちから追放されたり封印されたりしたのがクトゥルーたちであった。クトゥルーたちのリーダーはクトゥルーであり、旧神たちのリーダーはクタニドである。 ゲーリー・メイヤーズによれば〔「House of Worms」(ARKHAM HOUSE)〕、クトゥルーたちに叶う力を持たなかった弱小の神々がクトゥルーたちが眠りについている隙を狙って地球に飛来、彼等の一柱で女神のヌトス=カアンブルの作り出した旧神の印を使って封印し、そのままドリームランド(幻夢郷)にとどまり今日「地球本来の神々」として知られる存在になり、唯一、旧神の印の見張り役のノーデンスが疲れ果てて眠りについた時、クトゥルーたちは復活するのだという。 == 旧神の登場の過程 == ラヴクラフトに心酔していた作家オーガスト・ダーレスは、師と仰ぐラヴクラフトの作品を自ら出版社「アーカムハウス」を創設して出版するなどラヴクラフトの物語を世に広める最大の功労者と言ってよいが、同時に「悪なる旧支配者」が存在する以上、それに対抗する「善なる存在」も求めた。 そして1932年にマーク・スコラーと共作した、ダーレスの最初のクトゥルフ神話「羅喉星魔洞」に太古の昔にベテルギウスからやってきた(古きもの)あるいは(旧神)と呼ばれるラブクラフトの作品群には言及がない旧支配者に対抗する超越者を書き記した。 ダーレスはその後の作品でも旧神と旧支配者の対立の設定に拘り書いている。クトゥルフを水としヨグ=ソトースは地などと、旧支配者を古代ギリシャの自然哲学で論ぜられる四大元素に当てはめたのもダーレスである。そして邪悪なる旧支配者は善なる旧神と地球の支配権を賭けて戦い、ついには敗れ、そして地球や宇宙の各地に封じられているとした。 この構図はラブクラフトの考える世界観とは違うが、単純で理解し易いためかその後も踏襲する作家も多く、日本のクトゥルフ神話でも、栗本薫の「魔界水滸伝」では旧神は地球を守る先住者と呼ばれる者たちの祖先として位置づけられている。風見潤の「クトゥルー・オペラ」は超能力をもった少年少女が旧支配者と戦うという設定だが、少年達に地球を守るべく超能力を与えた存在はベテルギウスの旧神であった。 ただ、旧神を実際に登場させる作品は存外に少なく、物語の設定の中で名前だけが出てくるだけのことも多い。クトゥルフ神話は過去の設定にそれぞれの作家がそれぞれ独自の解釈や新しい設定を取り入れているが、その中では旧支配者たちは現在は封印されていると位置づける場合が多く、封印されているなら封印した者がいるのが道理だろうと、それだけで旧神を登場させていることの方が多いようだ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「旧神」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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