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ニューロフィラメント(、神経細糸)は、神経細胞(ニューロン)に特異的に分布する中間径フィラメント()である。αインターネクシン、シネミン、ネスチンとともにtype IV型中間径フィラメントに分類されている。 中枢神経系(脊髄を含む)の神経細胞、末梢神経系の神経節細胞にほぼ普遍的に分布し、神経細胞の細胞体()だけでなく軸索()や樹状突起()にも存在する。微小管()と共に分化成熟した神経細胞の主要な細胞骨格として機能している。近年、中枢神経変性疾患で過剰リン酸化されたニューロフィラメントが神経細胞の封入体として沈着することが明らかになり、中間径フィラメントのリン酸化異常が引き金となって惹起される神経細胞の変性のメカニズムに関心が集まり、神経病理学的な研究が盛んに行われている。 == ニューロフィラメントの発見 == 神経生理の実験モデルとして使用されてきたイカの巨大軸索(giant axon)から分離抽出されたのが最初である(Huneeus FC et al, 1970)。その後、哺乳動物であるラット、ウサギ、ウシの脳や脊髄後根神経節、坐骨神経などからも軸索を構成する細線維性蛋白として抽出され、微小管とは異なる10 nm径の神経細胞特異的な中間径フィラメントとして報告されるようになった。通常のイオン強度の抽出液ではグリア細胞のGFAPなどとの分離は難しい。8M尿素変性などにより可溶化されるが純化された蛋白を、SDS-PAGEなどで分析するとグリア由来のGFAPなどが混入するため4本以上のバンドが出現する。このうちニューロフィラメントに固有の蛋白は分子量の異なる3種類のアイソフォーム(isoform)で構成されていることが明らかになり、それぞれNF-H (分子量200kD)、 NF-M (分子量160kD)、 NF-L (分子量68kD)と略称されるようになった。3つを併せてneurofilament triplet proteinsとも呼ばれている(Liem RKH et al, 1978)。これらのサブユニットは異なる遺伝子にコードされているが、生成される蛋白はα-ヘリカル構造を有する長鎖ポリペプチドである。神経細胞内に分布するニューロフィラメントは程度の差はあれリン酸化された蛋白として存在しており、特にNF-H、NF-Mのような長鎖蛋白のC末端部のポリペプチドにはリン酸化部位が集中している。これらリン酸化された分子量の大きなニューロフィラメントは細胞体より軸索や樹状突起に優位な分布を示している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ニューロフィラメント」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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