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ヌクマム(16px)、日本語表記は「ヌクナム」「ニョクマム」「ヌックマム」とも)は、ベトナム料理で使われる調味料で、小魚を原料とする魚醤の一種。 == 概要 == 魚介類に塩を加えて発酵させた食品「マム(mắm)」一種であり〔ファン「ヌオックマム」『ベトナムの事典』、256-257頁〕〔森枝『ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー』、99頁〕。小魚と塩を壺や樽に入れ、冷所で6か月から12か月間熟成させたものの浸出液がヌクマムである。ベトナム料理で使われる頻度が高いためにベトナムを代表する味とも言われ〔森枝『ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー』、96頁〕、その役割は日本料理で使われる醤油にも例えられる〔『世界の食べもの』合本8巻、165-166頁〕。砂糖、ニンニク、トウガラシ、ライムなどと合わせてヌクチャムというつけ汁にもされる〔。 下級のヌクマムは臭気が強いことでも知られ〔、初めて口にするときに抵抗を感じる人間も多い〔三浦、大野『ベトナム家庭料理入門』、52頁〕。ヌクマムを煮炊きに使った時に出る臭気は、くさやに例えられることもある〔。ヌクマムには多量のアミノ酸とカルシウムが含まれ〔三浦、大野『ベトナム家庭料理入門』、53頁〕、タンパク質も多く含むことからダイバーや漁師が体を温めるために飲むこともある〔。 かつてのベトナムの海沿いの地域ではそれぞれの家庭で独自のヌクマムが作られており、「地酒の数ほどヌクマムが存在する」という格言もある〔三浦、大野『ベトナム家庭料理入門』、56頁〕。発酵食品であるため長期の保存が可能であり、寝かすことで味に深みが出るために重宝されていた〔。18世紀後半にはすでにヌクマムはベトナム料理に使われていたが、それ以前の時代の史料にヌクマムに関する記述は確認されていない〔森枝『ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー』、98頁〕。ヌクマムが初めてベトナムの文献に現れるのは、1770年代から1790年代にかけて起きた内乱の記述だと考えられている〔。また、ヌクマムは中国から伝えられたという説も存在する〔岡田哲編『世界たべもの起源事典』(東京堂, 2005年4月)、271頁〕。 同様のものとして、タイ王国にはナンプラー(ラオスではナムパー)、カンボジアにはトゥック・トレイが存在する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヌクマム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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