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ノッド因子(Nod factor, 根粒形成因子)は、マメ科植物の根粒形成開始時に根粒菌として知られる細菌が産生するシグナル伝達分子である。 マメ科植物は細菌を取り込み共生関係をつくる。根粒菌は植物のために窒素固定産物を生成し、マメ科植物はニトロゲナーゼ活性を阻害する任意の酸素を取り除くレグヘモグロビンを生成する。 ノッド因子の化学構造は、アシル化キチンオリゴ糖骨格に末端または非末端残基に種々の官能基置換を有するリポキチンオリゴ糖(LCOS)である。 N-アセチルグルコサミン残基の数はノッド因子によって異なるが、キチン糖鎖の長さは一般的には3~5量体である。 植物に認識されるノッド因子の正確な化学構造は細菌種で異なり、ホスト-共生生物特異性の基盤となる。 ノッド因子は受容体キナーゼの特定のクラス、細胞外ドメインに属するいわゆるLysMドメインで認識される。 2つのLysM(リジンモチーフ)受容体キナーゼ(NFR1とNFR5)が、2003年にマメ科のモデル植物であるミヤコグサ(''Lotus japonicus'')においてノッド因子受容体として初めて単離された。これらのキナーゼは大豆やマメ科のモデル植物であるウマゴヤシ(''Medicago truncatula'')からも単離されている。 NFR5はキナーゼドメインにおける古典的な活性化ループを欠いており、NFR5遺伝子はイントロンを欠いている。 ノッド(''nod'')遺伝子の発現は、細菌を引き寄せるために植物が分泌した土壌中のフラボノイド類の存在によって誘導される。フラボノイド類はNodDの形成を誘導し、その後、他のノッド因子遺伝子の発現調節と土壌中への分泌を活性化する。 ノッド因子は根毛が細菌を包み込むような湾曲を誘導する。これに続いて局所的な細胞壁の破壊と植物の細胞膜への侵入が起こり、感染糸の形成が起こり根毛への侵入が誘導される〔 〕。結果として、窒素固定する構造体である根粒ができる。ノッド因子はマメ科植物の遺伝子発現を変化させるもっとも注目すべき根粒遺伝子で根粒の器官形成に必要である〔 〕。 ノッド因子に刺激される少なくとも3つの植物遺伝子はアーバスキュラー菌根の共生に関与している。特定のノッド因子添加はアーバスキュラー菌根のコロニー形成を強化する。2つのまったく異なる共生関係において基本的なメカニズムを共有していることを示している。 ==関連項目== *マメ科 *根粒菌 *窒素固定 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ノッド因子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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