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ノンシンクロトランスミッション()は変速機構に回転速度を同期させる機構(シンクロメッシュ)を持たないマニュアルトランスミッションである。主にトラクターなどの農業機械や大型の貨物自動車、オートバイなどで用いられている。このうち常時噛合(コンスタントメッシュ)式のものはドグミッションとも呼ばれる。 == 概要 == 乗用車をはじめとする一般的な自動車にはシンクロメッシュが普及した一方で、ノンシンクロトランスミッションは、農業機械や建設機械などのように走行速度が遅い車両や、変速機への負荷が大きい総重量が40トン級あるいはそれを大きく超える貨物自動車、あるいはオートバイなどに利用されている。また、一部の車種に搭載される副変速機はノンシンクロトランスミッションである場合が多い。 コンスタントメッシュトランスミッションにおいて、ギアセレクターは軸と同じ回転速度で回転し、歯車は軸に対して自由に回転している。あるギアが選択されたときギアセレクターが歯車のひとつと噛み合って軸のトルクを伝達する。ギアセレクターのハブは軸に沿って付けられた多数の溝(スプライン)によって、回転方向には固定され、軸方向にはスライドできるようになっている。ギアセレクターの外周には円周上に溝が切られていて、円弧状のセレクターフォークが組み合わされている。シフトレバーを操作すると対応するセレクターフォークが軸方向に動き、ギアセレクターをスライドさせて歯車とギアセレクターが噛み合う。この噛み合い構造は摩擦などによらず断切を行い、ドグクラッチと呼ばれる。 シンクロ機構が軸と歯車を同調させるまでにかかる時間が不要で素早い変速が可能であるが、運転者が同調させなければならないためシンクロ機構に比べると操作が難しい。シンクロ式トランスミッションに比して、変速時の音や振動(いわゆる変速ショック)が大きい。これはシンクロ式が隣り合う変速段の歯車の回転数を擦り合わせるのに対し、ドグミッションは噛み合いクラッチでいきなり結合することに起因する(クラッチの項も参照のこと)。オートバイでは伝達トルクが小さいことと、最終減速機構がチェーン駆動のものが多くある程度の衝撃吸収能力を持つことから、問題視されない。一方、市販の自動車、こと乗用車においてこの欠点は敬遠され変速装置の発展過程でシンクロ付きトランスミッションに取って代わられた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ノンシンクロトランスミッション」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Non-synchronous transmission 」があります。 スポンサード リンク
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