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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
北西航路(ほくせいこうろ、Northwest Passage)は、北アメリカ大陸の北方を通って大西洋と太平洋を結ぶ航路である〔''The Northwest Passage Thawed'' 〕。ユーラシア大陸の北を通って大西洋と太平洋を結ぶ「北極海航路」と対をなす。 == 概要 == 北西航路とは、北アメリカ大陸の北側にあるカナダ北極諸島の間を抜けて太平洋と大西洋を結ぶ航路のことであり、ヨーロッパから北西へ延びる航路であることからその名がついた。この航路は、ヨーロッパから見て北東へ延び、ユーラシア大陸の北側(ロシア沖)を通って太平洋と大西洋を結ぶ北極海航路(北方航路、Northern Sea Route、20世紀初頭には北東航路 Northeast Passage として知られていた)と一対をなす。 具体的には、北太平洋側のベーリング海峡から北西航路を通る場合、 :北太平洋→ベーリング海峡→チュクチ海→ボフォート海→北極諸島を貫く海峡群→バフィン湾→デービス海峡→北大西洋 の順に通過する。北極諸島を貫く海峡群を通るにはマクルアー海峡、ディーズ海峡、プリンスオブウェールズ海峡など5つから7つの異なる航路があるが、水深が浅く大型船の航海に向かないところもある〔The Northwest Passage and Climate Change from the Library of Parliament—Canadian Arctic Sovereignty 〕。なお、北極諸島の島々やカナダ本土を隔てる海峡を北西航路の一部と呼ぶこともある。 大航海時代の16世紀以来、ヨーロッパとアジアを結ぶ大圏航路であり最短航路になりうると考えられた北西航路の発見に多くの探検家が挑んできた。北極や北アメリカ沿岸の探検に向かった航海者たちの動機の多くは北西航路の発見であり、彼らの探検の過程でカナダ北部やアラスカなどの姿がわかるようになった。しかし北極海は夏でも融けない流氷・海氷や氷山があり、船が氷に閉じ込められ押しつぶされることもあるなどその環境は過酷で非常に多くの探検家が犠牲となり、20世紀まで横断航海に成功した者はいなかった。最初に北西航路を船で横断した人物は、南極点到達でも有名なロアール・アムンセンである。彼は1903年から1906年にかけて小さな船で大西洋から太平洋へと抜ける航海を成功させた。 近年、全地球的な気候変動により北極圏が温暖化し、北極海の氷の範囲が縮小し氷結する期間も減り、砕氷船でなくても北西航路が航行可能になってきた。2007年8月21日には流氷の減少により、砕氷船なしで北西航路が全て通れる状態になった。ノルウェー極地研究所によれば、これは1972年の記録開始以来初めての事態であった〔North-West Passage is now plain sailing 〕〔Satellites witness lowest Arctic ice coverage in history 〕。今後北西航路の開発が進み従来のスエズ・パナマ経由航路より距離が短い定期航路が作られれば、時間や燃料費を節約できるため世界の海運や物流が大きく変わるとみられる。また北極海の沿岸や海底に眠る資源開発も容易になると期待される。しかしこの海域をめぐる領有権問題が事態を難しくしている。カナダ政府は北西航路の一部をカナダの領海に当たる「内水」としているが〔TP 14202 E Interpretation—Transport Canada 〕、多くの国はこれらの海峡を自由な国際航行の可能な国際海峡であるとして対立している〔The Northwest Passage and Climate Change from the Library of Parliament—Canadian Arctic Sovereignty 〕〔Naval Operations in an ice-free Arctic 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「北西航路」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Northwest Passage 」があります。 スポンサード リンク
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