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ハ43は、第二次世界大戦期に三菱重工業が開発・製造した航空機用空冷星型エンジン。陸軍名称はハ211。ハ43は陸海軍統合名称である。 == 概要 == 三菱は、2,000馬力級のエンジンとして火星を18気筒化した大型機用のハ42の開発を進めていたが、ライバルの中島飛行機が小型高出力の誉を開発していることを知り、急遽それに対抗すべく火星より小型の金星を18気筒化し、戦闘機用のエンジンとして社内呼称A20(AはAIR COOLINGの意味)を開発することを決定した。 先行する中島の誉に対抗するため、三菱ではこのエンジンに * 馬力当たりの重量(パワーウェイトレシオ)を世界一軽いものにする * 馬力当たりの前面面積も世界一小さいものとする。 * 世界一の高い信頼性を持たせる * 最高出力は2,200馬力とする * 高々度性能も世界一を狙う といった極めて野心的な目標を掲げたが、それは同時に並々ならぬ努力と工夫を必要とするものであった。 大戦末期に海軍の主力エンジンであった誉が、未熟練工の大量生産による粗製濫造と燃料事情の悪化により、出力・稼働率の低下に悩まされていたため、ハ43の生産が間に合えば「烈風などの高性能機が活躍したのでは」と言う意見もあるが、結局のところハ43も量産に入れば誉と同じ様に品質低下に悩まされるだろうと言う海軍技官の意見もあった。〔中川良一・水谷総太郎 『中島飛行機エンジン史 若い技術者集団の活躍』 酣燈社、1985年、ISBN 978-4873570075。 〕また、小福田少佐も「誉の後に来るものとして約束されるも未だその信頼性は実戦に対して不十分なり」と証言している。 実際に、烈風以外にハ43を搭載して試験中であった陸軍の新型遠距離戦闘機キ83も排気タービン過給機よりもエンジン本体の不調に悩まされている。 また、震電も終戦間際のテスト中にハ四三に故障が発生し、これを修理するために三菱の技術者の到着を待っていたところで終戦を迎えている。 ハ43の開発にあたり、三菱には誉の試験データが提供された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハ43 (エンジン)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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