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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
ハイパーインフレーション()とは、急激に進行するインフレーションを指す。略称として「ハイパーインフレ」とも呼ばれる。 == ハイパーインフレーションの定義と概要 == 最低でも国際会計基準の定める3年間で累積100%(年率約26%)の物価上昇〔高橋洋一 『この経済政策が日本を殺す』 扶桑社〈扶桑社新書〉、2011年、69頁。〕、による定義では月率50%〔高橋洋一 『この経済政策が日本を殺す』 扶桑社〈扶桑社新書〉、2011年、68頁。〕(年率13000%〔〔研究 「震災復興本」を読む:原発問題と復興資金の財源問題を中心に Chuo Online YOMIURU ONLINE(読売新聞) 2011年9月8日〕)を超える物価上昇を『ハイパーインフレーション』と呼んでいる〔Phillip D. Cagan, ''The Monetary Dynamics of Hyperinflation'', in Milton Friedman(Editor), ''Studies in the Quantity Theory of Money'', Chicago: University of Chicago Press(1956).〕。但し具体的なインフレーション率の値によるのではなく、単に「猛烈な勢いで進行するインフレーション」のイメージを強調する際に用いるマスメディアも多い。 ハイパーインフレの発生は、通貨を媒介とした交換経済を麻痺させることや、不確実性の高まり〔木立順一 『黄金の国 悠久の心の文化の歴史から目指す未来像』 メディアポート、2015年、154頁。〕によって、生産活動や投資への意欲を喪失させることで、国民経済に重大な影響をもたらす。 ハイパーインフレは主に、経済の提供可能な水準を超えて政府がシニョリッジの獲得を図る時に発生する。この時、貨幣供給量が中央銀行にとって外生的に決まってしまい、もはや中央銀行は物価を抑えこむことが出来なくなる。シニョリッジ獲得のために貨幣を刷って名目貨幣残高を増やした場合、インフレを伴うのでシニョリッジは実質で見ると目減りすることになる。貨幣を刷るほどに、インフレによるこの目減りが加速度的に増加するため、政府が獲得可能な実質のシニョリッジには上限が存在する。この上限に達した状況から、政府がさらなるシニョリッジを求めて貨幣を刷った場合、インフレが一層昂進して政府は目的としたシニョリッジを確保することができない。それでますます貨幣を刷ってシニョリッジを獲得しようとすると、その結果インフレがさらに昂進して…、という悪循環に陥ることになる。これがハイパーインフレである。この種類のハイパーインフレは政府の政策が変更されるという予測が人々に形成されるまで継続する可能性がある〔矢野浩一「ハイパーインフレとデフレ 〜合理的期待と政策レジーム 」講義資料〕。 実際にハイパーインフレが起こるのは敗戦や革命といった時期であることが多く、フランス革命のときに起こったアッシニア紙幣の増刷によるインフレを歴史上最初のハイパーインフレとする説もある〔浜田宏一・若田部昌澄・勝間和代 『伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本』 東洋経済新報社、2010年〕〔若田部昌澄 『もうダマされないための経済学講義』 光文社〈光文社新書〉、2012年、169頁。〕。金塊や銀塊などに通貨価値を固定する本位制では基本的にハイパーインフレは発生しないのであるが、開戦などにより本位制は停止されることが多く、このさい管理通貨制度に移行し戦時財政が野放図になってしまったり、敗戦により多額の賠償が発生する(惧れがある)場合、通貨信用は喪失され急激で一時的なハイパーインフレが発生する。 敗戦や革命以外においても、ある国の経済市場が信認を失うことでハイパーインフレが発生することがある。これは中南米などラテン諸国やロシア東欧諸国で発生した性質のもので、領域経済の成長を期待した域外諸国市場による投資が長年にわたり行われたものの、その成果が十分でなく投資に対する不信感・不安感が醸成された結果として当該国通貨が暴落し購買力を急速に失うという現象である。この場合の通貨暴落は市場による均衡過程であり、比較的短期間による急激な調整ののちインフレ率は安定する傾向にある。しかし19世紀から20世紀初頭の欧州ラテン諸国では国民の大量の移民や離散をまねき、長期的な経済の低迷やインフレの継続を招いた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハイパーインフレーション」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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