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バエル
バエル (〔『悪魔の偽王国』、プランシー『地獄の辞典』にみられる綴り。〕, Bael〔『ゴエティア』での綴り。Baellとも。〕) はグリモワールや悪魔学における悪魔(精霊)の一人。 『レメゲトン』の第一書『ゴエティア』に記載された72人の悪魔の一人であり、同書によると、東方を支配し、66の軍団を率いる序列1番の大いなる王である。 『大奥義書』でも、6人の上級精霊に仕える18人の下位精霊に名を挙げられており、ルキフゲ・ロフォカレの支配下にあるという〔Arthur Edward Waite, ''The Book of Ceremonial Magic'' (1913), p. 187. 〕。 さまざまな姿で現れ、ヒキガエル、猫、または人間に似た姿、もしくはこれら全てを併せ持った姿を取るという〔『悪魔の偽王国』では、ヒキガエル、ネコ、人間の3つの頭を持った姿で現れると書かれている。〕。コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』の挿絵では、ネコ、王冠を被った人間、ヒキガエルの頭をもった蜘蛛の姿で描かれている。しわがれた声で話し、人を不可視にしたり、知恵を与えたりする力を持つという〔Johann Weyer, ''Pseudomonarchia Daemonum'' 〕。戦いに強いと言われることもある〔『地獄の辞典』216-217頁、「バエル」の項〕。 バエルはしばしば古代セム人の神バアル(バール)と結びつけられる。コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』では「バエル」は「バール」と別項目となっているが、両者の同一視についても触れられている〔。A. E. ウェイトはグリモワールの魔術を批判的に紹介した『儀式魔術の書』(初版『黒魔術と契約の書』)において、『ゴエティア』と『大奥義書』のバエルについて Baal という綴りを用いた〔Arthur Edward Waite, ''The Book of Ceremonial Magic'' (1913), p. 187. , p. 196. 〕。フレッド・ゲティングズは『悪魔の事典』において、バエルはバアルの別名であると述べている〔『悪魔の事典』305頁(「バエル」の項)、315頁(「バール」の項)〕。 ==註==
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