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バナッハ極限 : ミニ英和和英辞書
バナッハ極限[ばなっはきょくげん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [きょく, ごく]
  1. (adv,n) quite 2. very 
極限 : [きょくげん]
 【名詞】 1. utmost limits 2. limit 

バナッハ極限 : ウィキペディア日本語版
バナッハ極限[ばなっはきょくげん]
解析学におけるバナッハ極限()とは有界な実数列の成すバナッハ空間 \ell^ で定義された汎関数 \mathrm : \ell^ \to \mathbb で、任意の数列 x = (x_n)y = (y_n) に対して次の条件を満たすものをいう:
# \mathrm(\alpha x+\beta y)=\alpha \mathrm(x)+\beta \mathrm(y) (linearity);
# すべての x_n\geq 0 ならば \mathrm(x)\geq 0
# \mathrm(x)=\mathrm(Sx)S(Sx)_n=x_ で定義されるシフト作用素である;
# \liminf_ x_n\le\mathrm(x) \le \limsup_x_n
最後の条件より \mathrm は線形汎関数 \lim_ の延長であることが分かる。
言い換えれば、バナッハ極限は通常の極限の線形性を保った拡張であって、シフト不変かつ正なものである。しかしながら2つのバナッハ極限が一致しない数列が存在する。バナッハ極限はこの場合には一意に決まらないということができる。
バナッハ極限の存在は通常ハーン=バナッハの定理(解析学的な方法)またはウルトラフィルター(この方法は集合論的な説明でより頻繁に見られる)を用いる。これらの証明は選択公理の使用が必要である(つまり実効的な証明ではない)。
==超準的な存在証明==

無限大超自然数 \nu を固定する。\mathrm を次のように定める:
:\mathrm(x) = \mathrm(\frac \sum_^ ^x_i)
ただし \mathrm は超実数の標準部分、\sum は内的な有限和を表す。また ^x = (^x_i)x = (x_i) の自然延長である。
標準部分が存在することを示す。すなわち \mathrm(\cdots) の内部が有限超実数であることを示す。x は有界であるから、ある非負実数 M に対して |x_i| \leq M が成り立つ。移行原理より |^x_i| \leq M が成り立つ。したがって |\frac \sum_^ ^x_i | \leq \frac \nu M = M となるからよい。
\mathrm がバナッハ極限の条件のうち線形性と正値性を満たすことは移行原理によって明らかである。シフト作用素で不変であるのは
:\frac \sum_^ ^x_ = \frac + \frac \sum_^ ^x_i - \frac
であり、第一項と第三項は無限に小さいから、\mathrm で消えるからである。最後の条件を満たすのは、任意の無限大超自然数 i に対して
:\liminf x_n \leq \mathrm(^x_i) \leq \limsup x_n
となることから分かる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「バナッハ極限」の詳細全文を読む




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