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バルカン山脈(バルカンさんみゃく)、あるいはスタラ・プラニナ〔スタラ・プラニーナとも〕(ブルガリア語・セルビア語:、「古い山」の意)は、バルカン半島東部の山脈である。スターラ山脈とも呼ばれる。山脈は、ブルガリアとセルビアの国境をなすヴルシュカ・チュカ峰(ブルガリア語:、セルビア語:)から東に560キロメートルにわたって延び、黒海岸のエミネ岬(、en)まで続いている。ブルガリア中部で最も高く、最高峰はブルガリア中部の中央バルカン国立公園(Central Balkan National Park、1991年創設)にあるボテフ峰(、en、2376メートル)である。山脈はバルカン半島の名前の由来ともなっている。バルカン山脈は、ブルガリアの歴史の中で重要な役割を果たしてきており、ブルガリアとブルガリア人の形成と発展に大きく関与している。 かつてはハイモス山(Haemus Mons)と呼ばれていた。ハイモス(ギリシャ語ではアイモス )とは、トラキア語で「山脈」を意味する「 *saimon」に由来していると考えられている。このほかにバルカン山脈は、アエモン(Aemon)、ハイミモンス(Haemimons)、ヘム(Hem)、エムス(Emus)や、スラヴ語のマトルニ・ゴリ(Matorni gori)、トルコ語のコジャ・バルカン(Koca Balkan)、あるいは単にバルカン(Balkan)などの呼び名がある〔 〕 バルカン山脈はその動植物相にも特徴がある。コジャタ・ステナ自然保護区()地域にはウスユキソウが生息している。中央バルカン国立公園の特徴的な風景は、急峻な崖や生い茂る植生などであり、バルカン半島でもっとも高い滝もある。チュプレネ()やコジャナ・ステナなどの重要な自然保護区があり、ヒグマやオオカミ、イノシシ、シャモア、シカなど、ヨーロッパで見られる大型動物種の多くがここで見られる。 == 地理 == 地質学的にはバルカン山脈は新しい山脈であり、アジアからヨーロッパにかけて続くアルプス・ヒマラヤ造山帯の一部を成している。バルカン山脈は大きく2つに分けられ、東西に伸びる主部と、主部の西端から北西方向に伸びる前バルカンから構成される。前バルカンは北に進むにつれて次第に低くなってドナウ平原に埋没し、一方で東西に伸びる主部はセルビア・ブルガリア国境から黒海へと続き、山脈の南に沿って11の渓谷が連なって下バルカン渓谷が形成されており、渓谷はバルカン山脈とその南のスレドノゴリエ(、スレドナ・ゴラ山脈やヴィトシャ山などから成る)とを隔てている。 バルカン山脈はおよそ30の山塊から成っている。山脈は大きく3つの部分に分けられる: * 西バルカン山脈 - セルビア国境のヴルシュカ・チュカ峰からアラバコナク峠()までの190キロメートル。最高峰はミジュル峰 / ミジョル峰(ブルガリア語:、セルビア語:、2169メートル)。 * 中央バルカン山脈 - アラバコナク峠からヴラトニク峠()までの207キロメートル。最高峰はボテフ峰(2376メートル) * 東バルカン山脈 - ヴラトニク峠からエミネ岬までの160キロメートル。最高峰はブルガルカ峰(、1181メートル)。東バルカン山脈は全体では最も低い。 バルカン山脈は分水嶺を形成しており、その北の川はドナウ川へ、南の川はエーゲ海へと流れている。しかし、ブルガリアで最長の川であるイスクル川()はバルカン山脈を横切って南から北へ流れており、その周りには急峻なイスクル渓谷(、en)が形作られている。バルカン山脈を水源とし、北方向にドナウ川へと注ぎ込んでいる川には、ティモク川()、アルチャル川()、ロム川()、ツィブリツァ川()、オゴスタ川()、スクト川()、ヴィト川()、オスム川()、ヤントラ川()、ルセンスキ・ロム川()がある。また、山脈はカムチヤ川()の水源ともなっており、この川は直接黒海へと注いでいる。ブルガリアの他の地域ほどではないが、ヴルシェツやシプコヴォ(、トロヤン市)、ヴォネシタ・ヴォダ(、ヴェリコ・タルノヴォ市)などの温泉街がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バルカン山脈」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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