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バンクメモリ ( リダイレクト:バンク切り換え ) : ウィキペディア日本語版
バンク切り換え[ばんくきりかえ]
バンク切り換え(''Bank Switching''〔ページングと呼ばれることもあるが、通常のその用語とはほとんど関係ない〕)はコンピュータメモリ内のアドレス空間を、1次元配列から多次元配列にする事によりアクセス可能なアドレス空間を拡張する技術である〔 D. Aspinall (ed), ''The Microprocessor and its application: an advanced course'', CUP Archive, 1978, ISBN 0-521-22241-9 pp.47-50 〕。ミニコンピュータで生まれた技術である〔 C. Gordon Bell, Allen Newell ''Computer structures: readings and examples'',Mc Graw Hill, 1971 page 156〕。8ビットのマイクロコンピュータシステムで一般に使われた技術であり、アクセス可能なRAMROMの量をアドレスバスを拡張せずに増やすことを目的としていた。
== 概要 ==

かつてよく使われたタイプは、アドレス空間を2次元配列にする物である。たとえばアドレスバスが16ビットしか無く、まったく工夫されていない場合アドレス空間は65536ワードしか使えない。そこでたとえばアドレス0xc000番地から0xffff番地をバンク切り換えして二つの要素を持つようにすると、49152+16384×2=81920ワードを扱える様になる。この手法は、古くは磁気コアメモリROMバンクを切り換えて、アドレス線を節約する方法に用いられた。8ビットパソコンでは最大メインメモリ空間に匹敵するVRAMのアドレス空間〔メモリ空間が64KiBなのに対し、640×200ピクセルという当時の標準的な解像度では1プレーン当たり16KiB弱。カラー表示の場合RGBの3プレーンで、48KiB弱という空間を必要とした。I/O空間を使用したり、サブプロセッサに処理を委譲する実装もあり、その場合はその限りではない。〕や、テキストVRAM等を、主記憶容量を確保しつつ、CPUからアクセスさせるために使われた。また、メインメモリを64Kバイト搭載した8ビットパソコンにおいて、初期ローダからのロードしたシステムへの遷移、書き換えの不可能なROM空間をRAMとして、ユーザーに開放するためなどの切り替えにも用いられている。これらの実装により、予め実装されているROMに書き込まれているもの以外のシステムの利用や、より自由度の高い利用が可能となった。
仮想記憶の普及によって単純なバンク切り換え機構は廃れた。仮想記憶においては、論理アドレス空間をページまたはセグメントと呼ばれる小さな単位に分割し、それぞれをアドレス変換機構において物理アドレスに結び付けている。現在の実装では、アドレス空間はプロセスページまたはセグメント・論理アドレスオフセットによって構成される3次元疎配列となる(仮想マシンモニタを使っている場合には4次元疎配列)。原理的にはバンク切り換えの発展系であるが、仮想記憶をバンク切り換えと呼ぶ事は無い。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「バンク切り換え」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Bank switching 」があります。




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