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パナマの歴史(パナマのれきし)では、パナマ共和国の歴史について述べる。 == 先コロンブス期 == ヨーロッパ人の来航以前の現在のパナマの地には、主にチブチャ族をはじめとする人々が居住していた。 パナマ中部、アスエロ半島北方のパリタ湾岸では紀元前2900年から同1300年に刻線文が施されたモナグリーヨ(Monagrillo)土器を伴う貝塚と内陸の岩陰・洞窟遺跡が営まれた。紀元前1000年頃までにモナグリーヨ土器を伴う集落は放棄され、紀元前900年頃からモナグリーヨの系譜をひく刻線文の土器に加えて二彩土器や多彩色土器を伴うようになる。これらの土器は紀元前6世紀にもっとも盛んに用いられるようになる。この時期には、掘立柱建物の住居が集まった集落が営まれ、中心的なものとして、ムラ・サリグアが挙げられる。ムラ・サリグアは、紀元前390年ごろから、8.5haであった集落が58haにまで急速に発展し、人口は600人から700人近くにまで達したと推定される。紀元前3世紀中葉から後半の時期にはムラ・サリグアより小規模であるが、シティオ・シエラの集落が形成された。シティオ・シエラの住居跡の床面から検出された炭化物の放射性炭素年代は、65B.C.±80からA.D.235±90を示している。遺物には、炭化した多量のトウモロコシに伴い円筒形のすり石のマノと脚部が削り出されたすり皿のメタテ、砥石、磨製石斧を調整する際に発生した剥片や長方形のナイフ形石器などが出土している。住居の床面をはがすと彩色土器や石器製作のための加工用の道具のほか、貝や黄鉄鉱製の首飾りを伴う集団埋葬墓が検出された。放射性炭素年代から紀元前3世紀から延々と追葬が行われ、被葬者は25体の人骨が確認されている。この時期まで、祭祀センターとみなすことのできる遺跡は出現していない。 アスエロ半島南部での最初の居住を示すブカロ期の遺跡は、トノシ川下流域及び河口、グアンコ川の河口から南西3kmの海岸の三か所で確認されている。居住が開始された年代は不明だが下限はA.D.200年までとされる。農耕は行っていないが刻線文が施された土器や石器が出土している。これらの放射性炭素年代は、A.D.20±100年となっている。ブカロ期に続くのは、エル・インディオ期で、放射性炭素年代は、A.D.390±100及びA.D.450±100という年代が得られており、だいたいA.D.20年から同500年くらいに位置づけられる。エル・インディオ期の集落は、13か所発見されており、うち3か所はブカロ期から続いている集落である。エル・インディオ期の土器は、白地黒彩の二彩土器や黒と赤に塗色された彩文土器で斜めの格子文、十字文、ヘリンボーン(山形文)、玦状文、様式化された人物文など多様な文様が施されている。石器には、穀物や木の実をすりつぶすすり石とすり皿、すなわちマノとメタテが現れ、農耕が始まっていた可能性が強い。金属器も作られており、墓には土器や金属器などが副葬されたものも現れた。エル・インディオ期の土器はトノシ土器とも呼ばれ、コクレ地方や西のベラグアス地方からも出土する。 A.D.500頃には、パナマ中央部のパリタ湾岸では階層社会が形成されていたと考えられ、サミュエル・ラスラップが1930-33年に調査したコクレ(Cocle)文化の代表的な遺跡であるシティオ・コンテ(Sitio Conte)が好例として挙げられる。シティオ・コンテでは、副葬品として多量の金製品をはじめ、石製装飾品、コンテ多彩色土器などを伴う墓が確認されている。最古の墓である埋葬1号と32号はA.D.400年から同500年のものであり、A.D.900年までの埋葬が確認されている。金製品については、研究者の立場は、コロンビアのシヌー文化の影響によるものという伝播論の立場と、コンテ多彩色土器やパナマ中部の多彩色土器の文様である「羽根を広げたワシ」に類似した文様がみられることから在地発展論の立場と二通りの見解にわかれている。また、コスタリカ東部のディキス(Diquis)地方に隣接するパナマ西部のチリキ(Chiriqui)文化では、素晴らしい彩文土器や土偶を伴う文化が繁栄し、チリキの東方、パリタ湾岸の西方に位置するベラグアス地方では、ディキス地方の影響を受けた金製品や彩文土器が独特の竪坑墓(shaft-and-Chamber tomb)から出土する。コクレ・スタイルに続くエレーラ(Herrera)・スタイルは、雷文や渦巻き文などの幾何学文様が施された壺で知られている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「パナマの歴史」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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