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ヒゲクジラ亜目 : ミニ英和和英辞書
ヒゲクジラ亜目[ひげくじらあめ]
Suborder Mysticeti
===========================
: [め, もく]
 【名詞】 1. (1) item 2. division 3. class 4. (2) piece (in Go)
ヒゲクジラ亜目 : ウィキペディア日本語版
ヒゲクジラ亜目[ひげくじらあめ]

ヒゲクジラ亜目は、鯨偶蹄目に属する分類群で、現生のクジラ類を2分する大グループの一つ。リンネ式の分類では亜目の階級が与えられているが、20世紀末にクジラ類が偶蹄目から分岐した系統であることが明らかになったため、ヒゲクジラ類・ハクジラ類の位置づけは今後変更される可能性が高い〔『鯨類学』 2頁〕。
==形態==
現生のクジラ類は、ヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目に大きく分かれる。ヒゲクジラ類は歯をもたないが、上顎から生えた「ひげ板」または「鯨鬚」(くじらひげ)と呼ばれる器官を使ってオキアミコペポーダ等のプランクトンや小魚等の小さなエサを大量に濾しとり、食料とする。主にプランクトンなど浮遊性の生物を捕食するが、イワシ等の小魚(基本的にその海域に多い群集性魚類)の他にイカなども捕獲された個体の胃から確認されている。これらの魚などはほとんど無傷であり、髭板はあくまで濾過するための器官であることは明らかである〔『哺乳類の進化』 219頁〕。ヒゲクジラの食性は種や生息域によっても異なり、髭板の形状もまた食性によってそれぞれ異なる。コククジラのみ、底生生物を捕食することで知られる。(''濾過摂食を参照'')
鯨髭以外のハクジラ類との差異としては、外観上ではハクジラ以上に頭部が大型化し首が短縮している。噴気孔は二つ。喉に多数の襞を持つ。現生種では最大の動物であるシロナガスクジラが含まれる様に、ヒゲクジラは全体的に大型化する傾向がある、などである。〔『絶滅哺乳類図鑑』 123頁〕また皮下の形態では、メロンを持たず、また音を発するための器官である発声唇を持たないため、高周波エコロケーション能力を欠く。ただし低周波音を発し、そのエコーを聴いて遠方の地形を探るという事を行っているとされる〔『鯨類学』 148 - 149頁〕。
上顎骨鼻孔が頭頂部へ移動した事にともないテレスコーピングと呼ばれる形態を示すが、伸長した上顎骨は眼窩の下を通り(ハクジラ類は上)、鯨髭に広い付着部位を与えている〔。また、頭骨の形態は左右対称となっている(ハクジラは左右非対称)が、これは高周波エコロケーションに特化した機能を持たないためであろう。現生のクジラ類では耳骨が頭骨から遊離しているが、ヒゲクジラはハクジラに比べて遊離の度合いが低く、骨の壁に囲まれている。また、ハクジラでは分離している耳骨の構成要素、耳周骨蝸牛などを収めた骨)と鼓室胞耳小骨を収めた骨)が癒合している。〔『鯨類学』 11 - 13頁〕これと関連して、ハクジラは下顎に脂肪組織を持つがヒゲクジラは同様の組織を持たない。これはハクジラが下顎をエコーを聴くためのピックアップとして用いるための適応とされるが、脂肪組織を持たないヒゲクジラは下顎を介して音を聴く事はしていないと推定される。〔『鯨類学』 14頁〕
嗅覚に関しては、退化は著しいながらも脳に嗅球を持ち、また嗅上皮には嗅細胞が存在している。これらが機能しているかは定かでないが、餌探しにエコロケーションを使わないかれらが、嗅覚によって餌を探知している可能性が指摘されている。対してハクジラでは、一部の種の発生段階を除いて嗅球、嗅神経が消失し、嗅覚は失われている。〔『鯨類学』 55 - 56, 177頁〕

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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