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ヒシカイワリ
ヒシカイワリ(学名:''Ulua mentalis'')はアジ科に属する海水魚である。インド洋、太平洋の熱帯、亜熱帯域に広く分布し、生息域は西はモザンビークやマダガスカル、東は日本やオーストラリア北部にまで広がっている。最大で全長1mに達した記録のある大型種である。突き出ている下あごや、鰓篩が伸長すること、舌上に絨毛状歯がみられないことなどで他種と区別することができる。沿岸性の種であり、岩礁やサンゴ礁、エスチュアリーなどでみられる。主に魚や甲殻類を捕食する。繁殖や成長の過程についてはほとんど分かっていない。漁業における重要性は高くないが、エビや魚を狙ったトロール漁でしばしば混獲される。釣り人によって釣られることもある。 ==分類== ヒシカイワリはスズキ目アジ科のヒシカイワリ属(''Ulua'')に属する二種のうちの一種である。 本種は1833年にフランスの博物学者ジョルジュ・キュヴィエによってはじめて記載された。ホロタイプは紅海、エリトリアのマッサワ近海で採集された標本であった。キュヴィエは本種を''Caranx mentalis''と命名し、ギンガメアジ属(''Caranx'')に分類した。種小名の''mentalis''はラテン語で「あご」を意味する単語に由来する。1908年にはアメリカの魚類学者デイビッド・スター・ジョーダンとJohn Otterbein Snyderが''Ulua richardsoni''という種を記載し、ヒシカイワリ属(''Ulua'')を創設した。 その後の研究によってこの属への分類は正しいことが分かったが、''U. richardsoni''という学名については国際動物命名規約に基づき本種の後行シノニムとされている。ほかに1833年から1908年までの間に本種は三度再記載されている。そのいずれも現在では後行シノニムとされるが、''Caranx mandibularis''という学名については一般に使われていたことがある。 本種にはかつて「ヒシカイワリ」と「ウルアアジ」という二つの和名が提案されていたが、2007年に本種が日本から初記録された際に前者が標準和名として認められた〔本村浩之・櫻井 真 「2007年に報告された鹿児島県の魚類に関する新知見」 『Nature of Kagoshima』34号、2008年、25-34頁〕。英名には"longrakered trevally"や"heavyjawed kingfish"、そして主にオーストラリアで使われている"cale cale trevally"がある。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヒシカイワリ」の詳細全文を読む
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