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''これはヒッグス場に関する入門記事です。より専門的な内容は、ヒッグス粒子やヒッグス機構を参照してください。'' ---- ヒッグス場(ヒッグスば)は、普遍的に存在する量子場の一種であり、おそらく素粒子が質量を持つ原因であると理解されつつある概念である。 すべての量子場には対応する素粒子が存在する。ヒッグス場に対応するのはヒッグス粒子(ヒッグスボソン)である。 == 概要 == 場の量子論では、万物の根源的な実体・構成要素は粒子ではなく「場」であるととらえる。たとえば電磁場もその一つである。粒子は、これら「場」の振動、あるいは持続的な変動として表される。すなわち、電磁場の振動は光子と呼ばれる。そして、ヒッグス場の振動はヒッグス粒子と呼ばれる。 いくつかの量子場によって既知の素粒子を表現・記述することができ、それ以外の量子場によって異なる種類の粒子や力が世界に存在する原因となる現象である「自発的対称性の破れ」を説明することができる。つまり、自発的対称性の破れによってそれぞれの粒子や力の違いが生じる。たとえば電弱相互作用の理論では、なぜ低温状態で電磁力と弱い力の性質が大きく異なるのか、つまり対称性が破れるのかを説明するためにヒッグス場の存在が導入された。 素粒子物理学における標準模型には、粒子に質量を与える機構が組み込まれている。これがヒッグス機構であり、ヤン=ミルズ理論に質量の概念を導入するため、1964年にピーター・ヒッグスが発展させた〔; 〕。アブドゥッサラームとスティーブン・ワインバーグはそれぞれ独立に、弱い相互作用と電磁相互作用の理論を統合した単一の「電弱相互作用」のゲージ理論を構築するためには、ヒッグス機構が重要であると認めた。 ヒッグス機構を用いることにより、彼らは弱い相互作用の担い手であるWボソンとZボソン(ウィークボソン)が大きな質量を持つのに対し、電磁相互作用の担い手は質量を持たないことを明らかにした。このことから、ヒッグス機構はしばしば質量の「起源」や「発生」を説明するものであると紹介される〔; ; 〕。しかし、ヒッグス機構が質量の本質に対して十分な理解を与えるものであるかについては、疑問も呈されている。たとえばマックス・ヤンマーは以下のように述べている。「もしある過程が質量を"発生させる"のであれば、その"発生させた"物の性質についての情報も同じく与えるべきである、と考えてもおかしくはない」。しかしヒッグス機構では、質量は「(無からの創造)」の奇跡により粒子の中に「発生する」のではなく、エネルギーの形で質量を蓄えているヒッグス場から粒子へと移し変えられるものである。そして「ヒッグス機構もそれを精緻化したものも、(中略)われわれが質量の性質を理解する役には立たない〔Jammer (2000), p. 163 およびそこに挙げられている出典。〕。」 ヒッグス機構の「からくり」、つまり対称性の自発的破れが質量のないゲージ場に質量を与える方法は、宇宙全体に広がるスカラー場である「ヒッグス場」の存在を仮定することに基づいている。このヒッグス場と結合することにより、質量のない粒子はポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)に加え、質量とエネルギーの等価性による質量を得る。この結びつきが強いほど、その粒子は重くなる。 粒子がヒッグス場との相互作用によって質量を獲得する方法は、吸い取り紙がインクを吸収する様子に例えられる〔; 〕。吸い取り紙一切れが個々の粒子に、インクはエネルギーに対応する。異なる種類の粒子は、各自のエネルギー吸収力とヒッグス場の強さに応じて、異なる量のエネルギーを吸い上げる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヒッグス場入門」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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