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ヒメツリガネゴケ : ウィキペディア日本語版
ヒメツリガネゴケ

ヒメツリガネゴケ()はコケ植物の一種。成長した個体の大きさは数mmから1cm程度で、モデル生物として植物進化発生生理学の研究に用いられている。ヒメツリガネゴケのゲノムサイズは 511Mb、27本の染色体を構成する〔 PMID 18079367〕〔 PMID 8078460〕。2006年にゲノム解読が完了し、2008年に発表された〔。
== モデル生物としての利用 ==

コケの仲間は維管束植物とは進化の初期に分岐したものの、基本的な遺伝的・生理的な特徴を共有している〔。これらのグループの現生のものを調べることで、複雑に発達した現生植物の進化の機構を解明することができる〔。ヒメツリガネゴケがモデル生物として用いられる背景にはこのような企図がある。
ヒメツリガネゴケは効率良く相同組換えを行うことが可能な数少ない多細胞生物の一つである。つまり研究者が容易にゲノム上の特定位置に外来遺伝子を組み込むことができることを意味している。これは遺伝子の機能を調べる上で強力な利点であり、シロイヌナズナなどの高等植物の研究と組み合わせて、植物の進化における分子レベルの方向性を明らかにすることができる。
また、ヒメツリガネゴケはバイオテクノロジーの分野においても利用されつつある。顕著な例としては作物品種改良やヒトの健康に関連したコケの遺伝子の同定〔 PDF 〕、バイオリアクターを利用した複雑なバイオ医薬品の安全な産生などである〔 PMID 17869503〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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