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4G5系エンジンは、1972年に三菱自動車工業に発表された直列4気筒・4ストロークのガソリンエンジン。なお、本項ではそのディーゼルエンジン版にあたる4D5系エンジンについても記述する。 == 概要 == 現在三菱で最も長い歴史を持つエンジンの系列の一つであり、1.8-2.6リットルに及ぶ排気量を持つ世界有数の大排気量直列4気筒エンジンでもある。古ギリシア語で「星」を意味するアストロンという愛称が与えられており、生産時期や販売国によって4G54という表記とG54Bという二種類の型式番号が与えられている。なお、2013年現在の時点においては欧州向けディーゼルエンジンの4D56のDOHC16バルブ・DI-D仕様のみが製造されている。 4G5系エンジンは鋳鉄製シリンダーブロックにタイミングチェーン駆動によるSOHCレイアウトを採用し、燃焼室は半球型を採用していた。 1975年には、4G5系エンジンはサイレントシャフトと呼ばれるバランサーシステムを搭載する。サイレントシャフトは近代エンジンにおけるバランスシャフトの最初の使用例の一つであり、それは三菱が原特許を得たフレデリック・ランチェスターのデザインに従って製造された物であり、振動減少に大きな効果を発揮した。後にランチア、サーブ、ポルシェは三菱の許諾を得てこの技術を自社エンジンに採用している。 基本的には吸気バルブ1、排気バルブ1の8バルブヘッドであり、1976年以降より当時の自動車排出ガス規制に対応するため、これまでの「MCA」に代わり、「MCA-JET」(MCAはMitsubishi Clean Airの略)と呼ばれる一連の排ガス対策システムを導入していた。最も特徴的な機構は、「ジェットバルブ」と呼ばれるごく小さな二次吸気バルブであり、吸気バルブと共にロッカーアームで駆動され、シリンダー内に強力なスワール流を発生させ燃焼効率を高めていた。ジェットバルブは輸出先国の燃料事情によりオクタン価の低いガソリンや、空燃比の低いキャブレターセッティングを可能にする意味でも用いられ、G32B型、4G63型を始めとする当時の三菱製エンジンの多くで採用されていた。 バルブを駆動するロッカーアームは当初は調整ボルトでタペット隙間が調整可能なメカニカルタペットが用いられていたが、83年頃から油圧式ラッシュアジャスターに変更された。 燃料装置は70年代後半までキャブレターが中心であったが、昭和53年排出ガス規制に合わせて電子制御式燃料噴射装置のECIシステムを採用。以後ターボチャージャー導入などの改良はあったものの、長い期間このSPI方式のECIシステムが使用されていた。90年代に入るとMPIを採用する車種(マグナ)も現れ、その後も海外専売車種を中心に幅広く搭載され続けていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「三菱・4G5系エンジン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Mitsubishi Astron engine 」があります。 スポンサード リンク
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