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Order Dermoptera =========================== ・ 目 : [め, もく] 【名詞】 1. (1) item 2. division 3. class 4. (2) piece (in Go)
ヒヨケザル目(ヒヨケザルもく)は脊椎動物亜門 哺乳綱の1目。皮翼目(ひよくもく)とも呼ばれる。 ==特徴== 現生群は、ヒヨケザル科の1–2属のみで、ヒヨケザル(日避猿)と総称される。コウモリザルの別名もある。東南アジアの熱帯地方に生息し、フィリピンヒヨケザル とマレーヒヨケザル の2種のみが現存する。ヒヨケザルの属名 は、「イヌの頭」という意味のラテン語から来ている。和名で「サル」の語がつくのは、キツネザルに似た頭部の外見による。 ヒヨケザルは樹上に生息する、体長約35-40cm、体重1-2kgのネコくらいの大きさの動物である。体格は細身で、四肢は比較的長く、前脚と後脚がほぼ同じ長さをしている。頭部は小さく、両目が(ヒトを含むサル類と同様)顔の正面に位置しており、遠近感をとらえる能力に優れている。これらの特徴は、木々の間を滑空するのに適したものである。 ヒヨケザルの最大の特徴は、首から手足、そして尾の先端にかけて、飛膜と呼ばれる膜をもつことである。この飛膜を広げることで100m以上(最高記録136m)〔NHK『ダーウィンが来た! 生きもの新伝説』 第193回「滑るように飛べ! ボルネオの森」2010年5月23日放送〕滑空し、森林の樹から樹へと移動している。飛膜をもつ動物としては、他にもネズミ目(齧歯類)のムササビ、モモンガやフクロネズミ目(有袋類)のフクロモモンガなどが知られているが、いずれも飛膜は前肢と後肢のあいだにあるのみで、首から尾にわたるヒヨケザルのものほど発達した飛膜をもつ動物はほかにいない。コウモリのようにはばたくことはないが、滑空中に尾を動かして後肢と尾の間の飛膜で扇いで推進力を生み滑空距離を伸ばしている〔。 また、5本の指にも膜があり、指を動かして広げたり縮めたり、手首を回したりすることで、空気の抵抗を変え、飛ぶ方向を変える事が出来る。更に首周りの三角形状の飛膜は、飛んでいるとき膜のへりには2本の渦の流れが出来る。飛膜が三角形の場合は渦の流れは4本になる。背中側に生まれたこの流れが、膜の上の気流を整える。その為スピードが落ちても落下することがない。 サルのような対向する親指をもたず、力も強くないため、木登りは苦手である。小さく鋭い爪を樹皮に引っ掛けて、ゆっくりと木をよじ登る姿は、ひどく不器用そうに見える。しかし、空中では非常に有能である。高度のロスを最小限に保ちながら、木々の間を滑空する。何故この様な高度な滑空術を持つようになったのか、日本の調査チームが現地の人と協力して、ヒヨケザルに飛行に影響しない僅か10gの電波発信機を取り付け行動を調査した。結果、驚くことに食べ物の豊富なジャングルで僅か5-6種類の葉を選んで食べていることが解った。これらの植物は森に散らばっている上に好物の若葉は木の高いところにあるので、食べ物の場所を巡る為に最も効率的な移動手段だったというわけだ。 ヒヨケザルは臆病な動物であり、夜行性でもあるため、その生態はほとんど知られていない。草食性であり、よく発達した胃をもつ(中に消化を助けるバクテリアが棲んでいる。)ため、木の葉を消化することができる。葉、若芽、花、樹液などを主食としており、そしておそらく果実も食べていると考えられる。切れ目の入った扁平なクシ状の特殊な形状をした下顎切歯をもつ〔『新版 絶滅哺乳類図鑑』157 頁〕が、この切歯で樹液や果汁などを濾しとって食べる〔『世界哺乳類図鑑』 95頁〕。また、同時に毛づくろいに用いていると考えられている。こうした形状の切歯は、他の哺乳類には例がない〔『脊椎動物の進化』 335頁〕。子育ての場合ヒヨケザルは特定の寝ぐらを持たないため、子供を包む様に飛膜を広げ世話をしている。また、子供が母親の排出する糞を舐めるのは、ここで自らの胃の中のバクテリアを取り込む為である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヒヨケザル目」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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