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ビホルダー : ウィキペディア日本語版
ビホルダー[ちょうおん]
ビホルダー (Beholder) とは、テーブルトークRPGダンジョンズ&ドラゴンズ (D&D) に登場する架空の生物状の体に巨大な一つを持つ。D&Dへの登場以後、他のファンタジー作品にも多数の類型の(そして名前の異なる)生物が登場している。Beholderは英語で「見る人」を意味する。
== 概要 ==
直径2~3mほどの状の体に巨大な一つを持つモンスター。さらに頭頂には小さな眼がついた触手が10本ほど生えている。手足はなく魔法的な力で地面からわずかに浮遊して移動する。
D&Dでは非常に強力なモンスター種族〔数多くの階級に分けられ、最下級のビホルダーでさえ、容易に初級のPCを瞬殺しうる。さらに下位のビホルダーを召喚する、生命力を吸収するなどの特殊能力を持った中位以上の種になると、登場数やPC側の戦術ミス一つでワンサイドゲームの末に全滅することもありうる。〕として描かれ、ドラゴンイリシッド(マインドフレイヤー)に並ぶプレイヤーキャラクターのライバル的種族である。その強力な存在感からキャンペーンシナリオなどではボス役を飾ることも多い〔実際にビホルダーがラスボスを飾った有名な例としては、D&DベースのコンピュータRPGアイ・オブ・ザ・ビホルダー』がある。〕。
D&Dのルール上では属性は一般的に「秩序にして悪」(ローフル・イビル)。知性は高く人間の言葉を解し高度な魔法を使うことも可能。頭頂の触手からは様々な不思議な効果を持つ怪光線を放つことができ、これはプレイヤーキャラクターに対して大きな脅威となる。
ビホルダーの能力として代表的なものは、巨大な一つ目〔D&Dではマジックアイテムの材料にもされる。〕から放たれる不可視の魔法無効化光線である。視線に晒されている間、通常の魔法は打ち消され、さらにマジックアイテムですら魔力を失う(魔剣がただの剣となり、魔法の回復薬等もただの水となる)。ただし、効果時間に制限の無い物(主にマジックアイテム)なら、視界から逃れれば魔力を取り戻す。更に、触手の先の目玉は、それぞれ相手を石化する、分解する、即死させるなどの多種多様な能力を持っている。特に「分解」は物も生物も塵に分解してしまうため、この光線を受けると死亡するのは勿論、遺体も残らないため蘇生魔法が使えないという恐るべきものである(分解自体は高レベルの魔術師キャラクターも使用可能。また分解や蘇生魔法より高レベル(最高レベル)の魔法である「願い(wish)」で肉体を復活させれば蘇生魔法を使える)。これら特殊能力ゆえに、高レベルのキャラクターであっても苦戦は必至である。小眼による攻撃には、自ら放つ魔法無効化光線内に入ると効果が消えてしまうという弱点が存在するが、実際は小眼の能力を使う瞬間に巨眼を閉じるため、アクションゲーム以外では問題が無い〔アクションゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム』ではボタンを押した瞬間に魔法が発動するが、本来はクラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズで10秒、ダンジョンズ&ドラゴンズでは1分以上の呪文詠唱が必要なため、眼を閉じた瞬間のみを狙う事は不可能。逆にビホルダーは巨眼にしろ小眼にしろ睨むだけで良い。〕。またビホルダーを挟み撃ちにしようとすると、正面のキャラクター以外は巨眼の影響を受けない代わり、一度に同じ方向に向けられる小眼の本数制限から開放されるため、全ての小眼を使える様になる。
ビホルダーの死体から作り上げたアンデッドは魔法無効化光線を放たなくなるが、代わりに魔法反射の能力を持つようになる。あくまで巨眼の能力のため、生前の無効化光線と同様正面以外では効果が発揮されない。また、アンデッドビホルダーを狙った魔法以外はこの影響を受けないため、マジックアイテムや回復魔法、強化魔法を使えるのが敵対者にとっては幸いである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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