|
査読(さどく、、ピア・レビュー)とは、研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証のことである〔研究社 新英和大辞典 第6版〕。研究者が学術雑誌に投稿した論文が掲載される前に行われる。研究助成団体に研究費を申請する際のそれも指すことがある。 審査(しんさ、)とも呼ばれることがある。 == 概説 == peer reviewとは、仲間(同僚)による評価や、同領域の専門家たちによる判断を指す〔。 投稿前に、論文の原稿を共著者や同僚にチェックしてもらうこと〔も査読と呼ばれる。ただし学術論文誌に掲載されるためには通常、下述のようにその論文誌が定める査読を別途受ける必要があり、単に査読と言う場合は通常こちらを指す〔広辞苑 第6版〕。 学術論文誌・専門誌においては、寄せられた原稿がすべて掲載されるわけではなく、そこに掲載される前に、原稿が予め同じ分野の専門家(査読者)の評価を受ける過程が入ることがある。この過程が査読である。査読の評価内容によって掲載 / 不掲載が決定されることになる。科学的に評価の高い論文誌の場合、査読者は通常複数の外部の人間が選定され、著者や所属機関との独立性を重視して選ばれる〔Getting published in Nature: the editorial process, Nature 〕〔Manuscript selection 〕〔PNAS Submission Guidelines 〕(#査読者の選定を参照)。 学術雑誌の出版社や助成団体は、査読を行うことで論文や申請を取捨選択することができ、また論文の著者は公表前に原稿の内容を改善する機会が得られる(#プロセス、#査読を参照)。査読の過程を経て雑誌への掲載が決まることを受理またはアクセプト () といい、却下され掲載が拒否されることを掲載不可またはリジェクト () という。また単純な採否だけでなく、間違い等の修正等を経た上での条件付きの採用となる場合もある(解説例: 〔ACM Transactions on Architecture and Code Optimization誌の査読の解説 〕)。このように専門家が審査することで、スペルミス等の単純なチェックのみならず、専門的知識を要する既存の知見との整合性等もある程度まで調べることができる。査読で全てのミスや不正行為を見抜けるわけではなく、論文の発表後に他グループによる追試等で誤りが見つかる場合もあるが( → #科学における不正行為と査読の限界を参照)、掲載される論文全体の質を高めることはできるとされる〔Peer review—reject, accept, or major revision?, The Lancet Neurology, Volume 2, Issue 9, Page 517, September 2003 〕。 査読の厳しさは個々の論文誌等によって異なる。また同じ学会が発行する雑誌であっても、雑誌によって異なる場合がある(#審査の厳しさを参照)。査読対象となる分野の広さも、個々の論文誌等で異なる。特定分野に特化した論文誌が数多く存在するが、ネイチャーやサイエンス誌のように様々な分野を広く扱うものもある。 また(研究助成金の選考など)分野によっては、申請書が同様の過程で吟味され、申請に対して研究費が配分されるかどうかが決定されることがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「査読」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Peer review 」があります。 スポンサード リンク
|