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ピカトリクス : ウィキペディア日本語版
ピカトリクス
ピカトリクス(''Picatrix'')は、『ガーヤト・アル=ハキーム』()すなわち『賢者の極み』と題されたアラビア語魔術書ラテン語版である。本書はそれまでの魔術占星術とを総合・総説した書物である。序文によれば『ピカトリクス』は1256年にカスティーリャ王アルフォンソ10世の命によりアラビア語からスペイン語に翻訳された。その後アンダルシアの翻訳者の手によりアラビア語とスペイン語の両写本に基づくラテン語版が作られた。本書はアンダルシアの数学者マスラマ・イブン・アハマド・アル=マジュリーティー :en:Maslamah Ibn Ahmad al-Majriti の作とされてきたが、多くの人がこれに疑義を呈してきた。そのためこの著者は時として「偽マジュリーティー」と呼ばれる。元のアラビア語版はイベリア半島の学者によって12世紀中葉もしくは後半に作られたと推定され、本書中での著者の主張によれば224冊の書物から編纂されたという。ヨーロッパでは降霊術黒魔術の書物と非難されることもあったが、ラテン語版は15世紀に広く流布し、マルシリオ・フィチーノらのルネサンスの自然魔術の典拠のひとつとなった。
最も有力な説明のひとつは本書を「護符魔術の手引書」とみなされるべきものとしている〔Frances Yates, ''Giordano Bruno and the Hermetic Tradition'', Chicago, 1964; Frances Yates, ''The Art of Memory'', Chicago, 1966〕。別の研究者は、本書の種本は「9世紀・10世紀の近東で作られたヘルメス主義サビアニズムイスマーイール派、占星術、錬金術、魔術に関するアラビア語のテキスト群」であると述べ、本書は「アラビア語で記された最も完全な天界魔術の解説」であると要約している〔David Pingree, 'Some of the Sources of the Ghāyat al-hakīm', in'' Journal of the Warburg and Courtauld Institutes'', Vol. 43, (1980), pp. 1-15〕。エウジェニオ・ガリン :en:Eugenio Garin によれば「事実上、ピカトリクスのラテン語版は、『ヘルメス選集』やアブー・マアシャル :en:Abu Ma'shar al-Balkhi の著作と同等に、ルネサンスの所産の華やかな一面、たとえば造形美術を理解するのに不可欠である」〔Eugenio Garin, ''Astrology in the Renaissance: The Zodiac of Life'', Routledge, 1983, p47〕。
本書は1400年代のマルシリオ・フィチーノから1600年代のトンマーゾ・カンパネッラに至る西欧の魔術思想に重要な影響を与えている。大英図書館にある写本は何人かの手に渡っており、過去の所有者はサイモン・フォーマン :en:Simon Forman、リチャード・ネイピア :en:Richard Napier、イライアス・アシュモール :en:Elias Ashmole、ウィリアム・リリー :en:William Lilly である。
1920年かその前後にヴィルヘルム・プリンツがアラビア語版を発見するまで、スペイン語版とラテン語版のみが西洋の学者に知られていた〔Willy Hartner, 'Notes On Picatrix', in ''Isis'', Vol. 56, No. 4, (Winter, 1965), pp. 438-440; アラビア語のテキストはヴァールブルク・ライブラリーによって1927年に最初に出版された。〕。
==内容==
この書物は四部に分かれており、著しく体系性に欠けた論述を呈している。ジャン・セズネック :en:Jean Seznec は「ピカトリクスは嘆願者にとって吉となる時、所、姿勢、所作を指示する。かれは星への嘆願に択ぶべき言葉も示している」と述べている。例としてセズネックは土星の祈祷を再録し、この祈願についてのフリッツ・ザクスル :en:Fritz Saxl の指摘に言及している。すなわちザクスルは、この祈願が示しているのは「ギリシア占星術のクロノスへの祈祷の口調であり、まさに他ならぬその用語である。これはピカトリクスの典拠が大部分ヘレニズム的なものであることのひとつの証左である」と述べる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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