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ピストン(Piston)とは、機械部品の一種。中空の円筒形の部品の内側にはまりこむ円筒形のものの一般的な名称。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関や、蒸気機関やスターリングエンジンなどの外燃機関に使われるほか、注射器の内筒や管楽器の音程を決めるバルブ部分にも使われているほか、身近な利用例に水洗便器用洗浄弁であるフラッシュバルブのピストンバルブがある。 以下、本稿ではレシプロエンジンのピストンについて述べる。 == レシプロエンジンのピストン == 燃焼室(シリンダー)の断面は一般的に円形であるため、ピストンの断面も円形である。ガソリンエンジンの場合、効率の良い燃焼(火炎伝播)を得てかつ、バルブとの干渉を避けるために、燃焼室の形状は複雑化している。そのため、燃焼室の底面を兼ねるピストン上面も凹凸を持つことが多い(バルブリセス)。高い圧縮比を得るために、上面に大きく凸形状を与えられたり、逆に圧縮比を低く抑えるために凹形状になっているものもある。なお、ディーゼルエンジンの場合は、ピストン頭頂部を大きく窪ませて燃焼室を形成している。 ピストンの素材には鉄、アルミニウム合金、チタン合金などが用いられているが、生産性とコストを重視する量産品の場合、現在ではアルミ鋳造品〔日本では一般にAC8A(日本工業規格:JIS)などの材料がよく使用されるが、燃費規制の強化などに伴い厳しくなる使用環境に応え、各ピストンメーカーで独自の高強度材が開発され、使用されている。〕が一般的である。燃焼時の衝撃に耐える強度を確保するため、レースエンジンやチューニングエンジンではアルミ鍛造により製作されることが多い〔鍛造製のピストンは、一部の量産エンジンでも使用されている。〕。衝撃に対し最も厳しいのは、ピストンピンとピストンの界面での摩擦であり、ドイツのダウンサイジングはここにDLCコーティングを施して、ブレークスルーをした経緯がある。 シリンダー内の気体や液体がピストン側面から漏れると、効率の減少や潤滑油の希釈などが発生し危険でもある。しかしながら、シリンダーとピストンの断面の形状を全く同一にすると、摩擦による運動エネルギーの損失が生じる。そこで、ピストンの周囲に鉢巻のような構造であるピストンリングを付ける。自由状態ではシリンダ径よりも大きく出来ており、シリンダ内では外に広がろうとする張力を発生することで、側面の吹き抜けを抑えている。なお、ピストンリングは2 - 3本付けることが多い。 ピストン下部には、その形状からスカートと呼ばれる部位がある。スカートは、ピストンがシリンダー内部で傾倒するのを防止する目的でつけられる。以前はピストン全周にスカートがあったが、近年ではピストンが傾く方向、すなわちピストンピンに直行する方向にのみスカートが設けられるのが普通である。また、その長さも短くなってきている(スリッパーピストン)。 スカートの形状は一見するとただの円筒のように見えるが、温間時に真円になるよう水平断面形状は楕円形状をしており、またスムーズな摺動や首振りによる打音を抑えるため、横から見ると中央付近が膨らんだ樽型をしている。 一部レーシングエンジンでは、スカートをほぼ省略し、摩擦力を軽減しているものもある。 近年、スカート部にコーティングを施し、摩擦力を低減している物もある。コーティングの組成はエンジン性能を直接左右するため、多くのメーカーで秘密とされるが、主にモリブデンを含むフッ素樹脂(デュポン社のテフロン®など)であると言われている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ピストン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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