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ピッケルは、積雪期の登山に使うつるはしのような形の道具。語源はドイツ語のアイスピッケル(''Eispickel'' )。アイスアックス(英語:''Ice axe'' )、ピオレ(フランス語:''Piolet'' )とも呼ばれる〔『山への挑戦』pp.67-91。〕。昔は日本語表記として「氷斧(ひょうふ)」「砕氷斧(さいひょうふ)」「斧頭氷杖(ふとうひょうじょう)」「氷鉞(ひょうえつ)」などが使われたこともあるが定着していない〔。 その用途は幅広く、氷雪の斜面で足がかりを作るのに用いるほか、確保の支点(ビレイピン)、滑落時の滑落停止、グリセード時の制動及び姿勢の維持、アイスクライミング時の手掛かり、杖代わり、時には雪上でテントのペグとして使ったりもする。 山岳地帯での縦走用には柄が真っ直ぐで比較的長い60-70 cm程度のものが用いられるが、氷壁などの突破用には30-40 cm程度と短めのものが用いられる。氷壁用のものは、オーバーハングしている局面を考えて柄がカーブしているものもある。 かつて近世-戦前程度には杖としての使用局面が多かったらしく100 cm程度あったが、現在はストックを別に用意することも多く、シビアな局面だけで利用されることが増えたため短めのデザインとなっている。 == 各部名称 == 柄の部分をシャフト、柄の上端に付いている頭部をヘッド、ヘッドの両側に付いた刃のうち細く尖った方の刃をピック、広がった方の刃をブレード〔英語では"Adze"という。〕、柄の下端に付いた尖った部分をシュピッツェまたは石突き(いしづき)という〔英語では"Spike"という。〕。 シャフト(西洋では通常ハンドルと呼ばれる)は1970年代頃迄は通常アッシュ(ヨーロッパ北・中部や中央アジアに産するセイヨウトネリコ)あるいは後期にはアッシュより弾力のあるヒッコリーが使われるようになった。他にヤチダモあるいはアオダモとも呼ばれるもの(シラダモと呼ばれるものは床の間などに使われる高級建材)や合竹、あるいはグリベルが使用した樹脂含浸木材なども一部に使われていたが、耐久性や軽量であることなどから徐々に最初はスチールから現在のようなアルミニウム金属製に置き換わるようになった。この辺りは合理性を求めた道具の変遷ととらえるのが妥当である。 素材は通常鋼であるがアルミニウム合金、チタン合金などで製造されたものもある〔素材についての相違はアイゼンの項を参照のこと。〕。 各先端部分は用途上非常に鋭く作られ刃物そのものであり、そのため輸送時は皮革や合成樹脂製のカバーを取り付けなければ危険である。以前は当然のようにザック外側にピッケル取り付け用のリングと紐或はバンドがあり、日本ではそれが本格的山屋であることのステイタスのようなところがあったが、現在はピッケル自体が短くなったこともありそれがサイド側へと移ってもいるが、リュックサックの外側に取り付けて歩くと危険であるため、使用しない時は中に収納して運ぶことが勧められる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ピッケル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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