|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。
ピペリン () は、アルカロイドに分類される有機化合物のひとつで、シス-トランス異性体のカビシン(Z,Z体。シャビシンとも)とともにブラックペッパーの辛みのもととなっている成分である。この化合物は伝統医学や殺虫剤の用途にも用いられてきた。1819年、ハンス・クリスティアン・エルステッドによって、''Piper nigrum''(コショウ)の果実から最初に発見された。ヒハツ(''Piper Lognum'')とヒハツモドキ (''Piper officinarum'') や、''Piper guineense''〔Stenhouse in ''Pharm. J.,'' 1855, 14, 363.〕(西アフリカ産コショウ)にも含まれている。 ピペリンやカプサイシンの辛みは、感覚神経に発現している温度受容体TRPV1(TRPVイオンチャネルファミリーのひとつ)の活性化によりもたらされる。 ピペリンはまた、生体異物や代謝産物の代謝・輸送をつかさどるヒトの CYP3A4 や P-グリコプロテイン のはたらきを阻害する〔Bhardwaj, R. K.; Glaeser, H.; Becquemont, L.; Klotz, U.; Gupta, S. K.; Fromm, M. F. "Piperine, a major constituent of black pepper, inhibits human P-glycoprotein and CYP3A4." ''J. Pharmacol. Exp. Ther.'' 2002, ''302'', 645-650.〕。 ピペリンが薬物代謝に重要な他の酵素をも阻害した動物実験の結果が報告されている〔Atal, C. K.; Dubey, R. K.; Singh, J. "Biochemical basis of enhanced drug bioavailability by piperine: evidence that piperine is a potent inhibitor of drug metabolism." ''J. Pharmacol. Exp. Ther.'' 1985, ''232'', 258-262.〕〔Reen, R. K.; Jamwal, D. S.; Taneja, S. C.; Koul, J. L.; Dubey, R. K.; Wiebel, F. J.; Singh, J. "Impairment of UDP-glucose dehydrogenase and glucuronidation activities in liver and small intestine of rat and guinea pig in vitro by piperine." ''Biochem. Pharmacol.'' 1993, ''46'', 229-238.〕。 薬物の代謝を阻害するはたらきにより、ピペリンはさまざまな化合物の生物学的利用能を向上させる可能性がある。ヒトでクルクミンの生物学的利用能を2000%まで向上させたという報告がある〔Shoba, G.; Joy, D.; Joseph, T.; Majeed, M.; Rajendran, R.; Srinivas, P. S. "Influence of piperine on the pharmacokinetics of curcumin in animals and human volunteers." ''Planta Med.'' 1998, ''64'', 353-356.〕。 一方、薬物との相互作用が報告されており、多量に摂取すると健康被害が発生する可能性を否定できず注意が必要とされる 〔 〕 。 == 脚注 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ピペリン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|