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ファッグス : ウィキペディア日本語版
ファッグス

ファッグス(またはザ・ファッグス、The Fugs)は1960年代アメリカ合衆国ニューヨークの現代詩人三人によるフォーク、ロックバンドである。
== 概要・来歴 ==

ニューヨーク、ビート・ジェネレーションの、トゥリ・カッファーバーグ(Tuli Kupferberg)とギリシャ哲学を修め書店「ピース・アイ」(Peace Eye)を経営するエド・サンダース(Ed Sanders)の詩人二人にテキサス州在住でアメリカ空軍勤務のケン・ウイーヴァー(Ken Weaver)が加わり1964年に結成した。
既に名を成していたカッファーバーグ、サンダースはそれぞれ現代詩や著作を発表する一方、政治批判、社会風刺を織込んだ詩でゲストにギター、ピアノが伴奏する朗読会、ポエトリーリーディングなどを合名で主催していた。ウイーヴァーはそこに文通から交流を持ちやがて空軍の除隊を決めてニューヨークへ移動合流し朗読会に参加、ここから三人の詩人は一人の朗読に留まらない表現の追求にグループを結成した。グループ名「ファッグス」はノーマン・メイラー(Norman Mailer)の小説「裸者と死者」の一節にちなむ。詩詠唱に加えて歌唱と各自が楽器を担当したが打楽器を会得していたウイーヴァーと異なりカッファーバーグ、サンダースには器楽演奏の経験はなく、楽器に暴力を振るい目的外の音色で伴奏する「楽器の侮辱」パフォーマンスを展開した。朗読会同様、フォーク・シーンのコーヒー・ハウスといった場所のステージに立ち、平和運動などの集会にゲストとして招かれた。1965年に最初のアルバムを限定制作で発表したのちジャズ・レーベルのESPレコードと正式契約を結び、キル・フォー・ピース(Kill For Peace)、CIAマン(CIA Man)、モーニング・モーニング(Morning morning)〔リッチー・ヘブンスらがカバー。〕といった楽曲の人気を得て1965年末には演奏強化からセッションメンバーを常駐させるようになり、契約条件改善からリプリーズ・レコードに移籍した1967年夏には、ギターのケン・パイン(Ken Pine)、ドラムスのダニー・コーチマー(Danny Kortchmar)、ベースのチャールズ・ラーキー(Charles Larkey)を正式常駐メンバーに迎え、演奏ツアーを展開し海外公演も行った〔コーチマー、ラーキーは1968年末に脱退、キャロル・キングのシティに参加し、代わってビル・ウルフ(Bill Wolf)ベース、ボブ・メイソン(Bob Mason)ドラムスが参加。メイソンとウイーヴァーがツィンドラムで演奏することもあった。〕。1969年3月に解散した〔活動後半期はツアーなどで多忙を極め疲弊し、それぞれ個人に費やす時間を欲していたこと、ウイーヴァーは私生活優先を希望しグループ活動には消極的になっていた。〕。その後1984年カッファーバーグ、サンダースで再結成〔ウイーヴァーは私生活などを理由に参加しなかった。〕、二人それぞれの都合で散発的な活動を続け〔2004年以降、高齢になったカッファーバーグの体調不良から活動は停滞していた。〕、カッファーバーグが2010年7月12日腎不全と敗血症で死去した〔2009年7月に脳卒中で倒れ視覚障害を負っていた。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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