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ファン・デル・ポール振動子とは、非線形の減衰を受けた非保存系の振動子である。支配方程式は、ファン・デル・ポール方程式と呼ばれる次の式である。 ''x'' は座標で、時間 ''t'' の関数となっている。μは非線形の減衰の強さを表すパラメーターである。 リエナールの定理から、リミットサイクルの存在を示すことができる。 ==歴史== ファン・デル・ポール振動子は、オランダの電気工学者で物理学者でもある:en:Balthasar van der Polにより提案〔 Cartwright, M.L., "Balthazar van der Pol" , ''J. London Math. Soc.'', 35, 367-376, (1960).〕された。彼は、真空管を使用した電気回路内に安定な振動を発見し、これを緩和振動と呼んだ〔van der Pol, B., "On relaxation-oscillations", ''The London, Edinburgh and Dublin Phil. Mag. & J. of Sci.'', 2(7), 978-992 (1927).〕。この振動は現在リミットサイクルとして知られており、この回路をリミットサイクルの近傍で動作させると回路は引き込み現象をおこす。ファン・デル・ポルと同僚のvan der Markは、1927年のネイチャー9月号〔van der Pol, B. and van der Mark, J., “Frequency demultiplication”, ''Nature'', 120, 363-364, (1927).〕にて、特定の動作周波数で不規則なノイズが聞こえると報告した。この不規則なノイズは常に引き込み周波数の近傍で聞かれた。これは決定論的カオスの最初の発見例のひとつである。〔 Kanamaru, T., "Van der Pol oscillator" , ''Scholarpedia'', 2(1), 2202, (2007).〕 ファン・デル・ポル方程式は、物理学と生物学の分野で長い間使用されている。例えば、生物学では Fitzhugh〔FitzHugh, R., “Impulses and physiological states in theoretical models of nerve membranes”, ''Biophysics J'', 1, 445-466, (1961).〕と南雲〔Nagumo, J., Arimoto, S. and Yoshizawa, S. "An active pulse transmission line simulating nerve axon", ''Proc. IRE'', 50, 2061-2070, (1962).〕 は方程式を拡張し、神経細胞の活動電位に関するフィッツフュー-南雲モデルを構成した。また、地震学において断層のモデル化にも使用されている。〔 Cartwright, J., Eguiluz, V., Hernandez-Garcia, E. and Piro, O., "Dynamics of elastic excitable media", ''Internat. J. Bifur. Chaos Appl. Sci. Engrg.'', 9, 2197–2202, (1999).〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ファン・デル・ポール振動子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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