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ファスト風土化(ファストふうどか)とは、評論家の三浦展が導入した概念。地方の郊外化の波によって日本の風景が均一化し、地域の独自性が失われていくことを、その象徴であるファストフードにたとえてファスト風土と呼んだ。ファスト風土論は、2000年から雑誌『psiko』上を中心に連載され、2004年には『ファスト風土化する日本―郊外化とその病理』として新書にまとめられた〔三浦 (2004): pp.217-218〕。同書は、日本のゼロ年代の批評において「郊外」というキーワードがもてはやされるきっかけとなった〔円堂 (2011): p.188〕。 == 概要 == === ファスト風土論の概要 === 日本の郊外化については、社会学者の宮台真司が犯罪との関係などを1990年代に論じていたが、三浦展はそれを暗黙に踏襲した上でより広範囲を議論の射程としてファスト風土化を論じた〔円堂 (2011): p.189〕〔宇野 (2008): p.143〕。 三浦展によると、およそ1980年代以降の日本において、道路・鉄道が整備されて地方が都市化・工業化・郊外化・消費社会化し、ロードサイドにファストフード・ショッピングセンター・コンビニエンスストア・スーパーマーケット・ファミリーレストランといった商業施設が立ち並んだことによって地元の商店街は壊滅的な打撃を受け(いわゆるシャッター通り)、このような変化(ファスト風土化)は以下のような悪影響を及ぼしているという。 * 固有の歴史を持つ地方の独自性が損なわれ、共同性が失われる〔三浦 (2004): p.26など〕 * 道路・鉄道などの交通手段の整備によって連れ去りなどの郊外型犯罪が増加する〔三浦 (2004): 第2章〕 * 地域ごとの均質性の上昇によって格差意識が高まり、競争の激化を招く〔 * 地方で職住分離が進み、生活空間も閉鎖的になるため、子供は労働観の形成や人生のロールモデルの確立が難しくなる〔〔三浦展「地域のファスト風土化とサステナビリティ 」ジャパン・フォー・ソスティナビリティ(2008年4月23日)〕 * 快適な地方に留まり続けて視野が狭いままの若者がメディアに扇動されて安易な愛国主義(いわゆるぷちナショナリズム)に走る〔三浦 (2004): pp.182-184〕 * 自動車の使用を前提とした生活設計を強いられるなど環境負荷が高くなる〔 ファスト風土化という言葉は、日本国外の事例(ヨーロッパに侵食するアメリカ文化など)に対して使用されることもある〔鳥海基樹「古いヨーロッパ・フランスは抵抗する」(三浦編 (2006))〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ファスト風土化」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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