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イチジク属(イチジクぞく、学名:''Ficus'')は、クワ科に含まれる属である。ラテン語名からフィクス属、英語的な読みではフィカス属ともいう〔ラテン語 ficus (イチジク)の本来の発音は「フィークス」。英語読みは「ファイカス」。「フィカス」は日本だけの慣用読みということになる。〕。 約800種の植物が含まれる。木本またはつる植物で、暖帯から熱帯に分布する。傷をつけるとゴムを含む乳液が出る。 == 花序 == 共通の特徴は、その特殊な花序にある。イチジクが無花果と言われるように、この仲間は、花が咲かずに唐突に果実を生じるように見える。もちろんそんな訳はないのであって、実際には果実に見えるものが花序なのである。 イチジク属の果実に見えるものは、その先端にへそがある。この部分には、狭いながらも内部への通路が開いている。果実状の部分の内部には空洞があり、内側の壁には柄を持った粒状の構造が密生している。これらはすべて花である。つまり、果実状の構造は、茎の先端に花が一面に並んだものを、茎の部分が広がって花の面を包んでしまったようなものである。このような花序を隠頭花序、あるいはイチジク型花序という。花そのものは単一の雄しべ又は雌しべのような単純な構造である。 この花序にはイチジクコバチという寄生バチが生活しており、花に産卵して、そこで生長する。成虫の一部が他の花へと移動する際に、花粉の媒介が行われる仕組みである。したがって、寄生バチは花を加害するが、受粉を助ける役割も果たすので、両者は相利共生の関係である。イチジク類は、その種ごとに、花粉媒介させるイチジクコバチの種が決まっている。 イチジクやイヌビワ、ガジュマルなどは花序を枝先につけるが、アコウやギランイヌビワでは、太い幹の樹皮から短い枝が出て、そこに花序がつく。一見すると、木の肌に直接果実が着いているように見える。このような花や果実のつき方を幹生花(幹生果)といい、温帯に生活するものから見れば奇妙であるが、熱帯の樹木には往々にして見られる姿である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イチジク属」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ficus 」があります。 スポンサード リンク
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