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フィーニクス : ミニ英和和英辞書
フィーニクス[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

フィーニクス ( リダイレクト:フェニックス ) : ウィキペディア日本語版
フェニックス[ちょうおん]

フェニックスまたはフェニクス(、(古: ポイニクス、近現代: フィニクス)、(フィーニクス))は、死んでも蘇ることで永遠の時を生きると言われる伝説上のである。
寿命を迎えると、自ら薪から燃え上がる炎に飛び込んで死ぬが、再び蘇るとされており、不死鳥、もしくは見た目または伝承から火の鳥とも言われる。
フェニックスとはラテン語での呼び方であり、ギリシア語ではポイニクスと呼ばれる〔ローズ,松村訳 (2004), p. 359.〕。この名前は、ギリシア語の赤を意味する単語(赤はすなわち炎の色)に由来する〔ビーダーマン,藤代ら訳 (2000), p. 362.〕とも、同じく紫を意味する単語(フェニックスの羽の色を紫色とする説がある)に由来する〔とも言われている。
== 概要 ==

フェニックスは、古代エジプト神話に登場する、聖なる鳥ベンヌがその原型だと考えられている〔アラン,上原訳 (2009), p. 46.〕〔松平 (2005), p. 189.〕。当時のエジプト人は、太陽神ラーに従うベンヌはヘリオポリスのラーの神殿で燃やされている炎へ毎夜飛び込んで死に、毎朝その炎から生まれると信じていた。ペンヌはすなわち、毎夕に沈み毎朝昇る太陽を象徴していた〔。
この話が、古代ギリシアの歴史家ヘロドトス(紀元前485年頃 - 紀元前420年頃)の元に伝えられると、彼はその著作『歴史』において、エジプトの東方に位置するアラビアに住む鳥フェニックスとして紹介した。そこでのフェニックスは、に似た体型の、金色と赤で彩られた羽毛を持つ鳥で、父親の鳥が死ぬとその遺骸を雛鳥が没薬で出来た入れ物に入れてヘリオポリスに運ぶ習性があるとされた〔〔松平 (2005), pp. 186-187.〕。

初期キリスト教の司教であった聖クレメンス(? - 101年?)が記したところでは、フェニックスは寿命を迎えると、自分で香料や没薬などを集めて棺を準備してその中に入り、間もなく死ぬと、その遺骸から虫が生まれて遺骸を食べ尽くし、やがて虫に羽毛が生えて飛んでいくとされた〔松平 (2005), p. 187.〕。同様の記述はプリニウス(22年頃 - 79年)の『博物誌』にもすでにみられている〔松平 (2005), pp. 187-188.〕。
なお、古代ローマの歴史家タキトゥス(55年頃 - 120年頃)の『』によると、34年にフェニックスが現れたという〔。
フェニックスの伝承は、古代ギリシアや古代ローマの著述家によって次第に変化していった〔。ローマの地理学者は43年頃に、その著作『地誌』において、フェニックスは500年たつと自分で積み上げた香料を薪として炎の中で死ぬが、その炎から再び生まれてきて、自分の遺骨をエジプトに運んで埋葬する旨を記した〔松平 (2005), p. 188.〕。
ローマの著述家(3世紀)は、フェニックスが住むのはアラビアだとし、その羽毛や羽根の色合いの豪華さを記述している。またソリヌスは、エジプトでフェニックスの1羽が捕まり、クラウディウス皇帝時代のローマに運ばれて多くの人が見物した旨を記述している〔。
2世紀から4世紀にかけて成立した『フィシオロゴス』でのフェニックスは〔、500年ごとに、芳香を羽根いっぱいに持ってヘリオポリスの神官の元へ行き、祭壇の炎の中で焼死する。そして翌日その場所に生じた虫が、3日目には元のフェニックスの姿にまで育ち〔〔、神官に挨拶をしてから故郷へ飛んでいく、とされている。その外観は、羽根や頭部や脚に宝石や装飾具が着いているとされている〔。
フェニックスの寿命については『フィシオロゴス』をはじめ多くの人が500年だとしているが、プリニウスやソリヌスは540年だとし、タキトゥスは1461年だとした〔。タキトゥスの意見は、恒星シリウスが日の出の直前に昇る日とエジプトで新年の始まる日とが同じになる周期に基づいている〔。

自ら焼死したのちに蘇るという伝説は、エジプト神話をルーツとしながらもギリシア・ローマの著述家によって作られたものである〔。しかし、ローマ帝国では繁栄の象徴となり、フェニックスの姿がコインモザイク画にあしらわれるようになった〔。また、キリスト教徒にとっても、死んだ後に復活するフェニックスはキリストの復活を象徴するものとなった〔〔。『フィシオロゴス』では、創造主を崇めることもないこの鳥さえ死から蘇るならば神を崇める我々が復活しないはずがない、といった内容の文言が書かれた〔。キリスト教徒はこの鳥を再生のシンボルとみなし〔、10世紀成立の『エクセター写本』に収録された〔、8世紀に作られた詩「」の中では、フェニックスの復活とキリストの復活とが関連づけられている〔。こうしたこともあって、こんにちに至るまで、不死鳥=フェニックスのイメージが多くの人々に受け入れられている〔(#現代におけるフェニックスも参照)。
フェニックスは中世や近世の旅行記にもたびたび登場している〔。ジョン・マンデヴィルによる『マンデヴィルの旅行記』でも、自らを焼死させて3日後に蘇ることや、孔雀のような鶏冠を持ち、姿を見た人に幸せをもたらすことなどが記録されている〔。また中世のや『動物寓話集』でもしばしば言及された〔。
錬金術においては「賢者の石」を象徴するものだとされた〔。すなわち、第一質料(マテリア・プリマ)が消失し賢者の石として再生される様子がフェニックスになぞらえられた〔。
フェニックスの起源については、アジアに生息する錦鶏鳥だとする説もある〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「フェニックス」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Phoenix (mythology) 」があります。




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