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フィールド対Google事件 : ミニ英和和英辞書
フィールド対Google事件[くだん, けん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
: [つい]
 【名詞】 1. pair 2. couple 3. set 
: [こと]
 【名詞】 1. thing 2. matter 3. fact 4. circumstances 5. business 6. reason 7. experience 
事件 : [じけん]
 【名詞】 1. event 2. affair 3. incident 4. case 5. plot 6. trouble 7. scandal 
: [くだん, けん]
 【名詞】 1. matter 2. case 3. item 

フィールド対Google事件 : ウィキペディア日本語版
フィールド対Google事件[くだん, けん]

フィールド対Google, Inc.事件''Field v. Google, Inc.'', 412 F.Supp. 2d 1106 ( 2006))とは、Googleに対し提起された著作権侵害訴訟である。この事件はGoogleの「検索エンジンのキャッシュによるハイパーリンクの掲示(''display'')」がフェアユースとして認められた一つの裁判例であり、地区裁判所という下級審ながらもその判例が他のいくつかの判例へ引用されている〔
〕〔
''How this document has been cited''
〕。
原告のブレーク・A・フィールド(Blake A. Field)は、自身が排他的権利(''exclusive right'')を持つ著作物を自身の所有するウェブサイトにアップロードしたが、その後被告のGoogleが原告のウェブサイトを「キャッシュ」し、その複製を被告の検索エンジン上で利用可能状態にしたため、当該著作物の権利を侵害した、と主張した。これに対し被告は複数の抗弁を提起した。(''implied license'')、禁反言(''estoppel'', エストッペル)、フェアユース、及びデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の(''safe harbor protection'', セーフ・ハーバー・プロテクション)〔
誠実に行為をなした(''act in good faith'')か、または法で定められる基準を満たせば民事上の法的責任(liability)を軽減するという制定法上の条項。DMCAの場合、その「第2編: 」(Title II: Online Copyright Infringement Liability Limitation Act, OCILLA, )に実質的規定が存在する。ここには(ISPなどオンライン・サービスを提供する全ての事業者。ちなみにISPは(a)のいわゆる"conduit",「『導管』型事業者」に含まれる)のサービス内容(同条(n)でいう''separate and distinct functions'', 「別個独立の機能」)に対し、著作権侵害に対する法的責任の制限される内容とそれが認められるための条件が規定されている。本件の場合、被告のキャッシュは"(b) System Caching"(システム・キャッシング)に該当すると法廷は認定した。ところで"(d) Information Location Tools"(情報特定手段)は検索エンジンのことを指しているのだが、両当事者も法廷もこのことには触れていない。本法は、日本法上で完全には合致するものはないが、プロバイダ責任制限法の一部が相当する。
〕の4つである。法廷はGoogleの〔
サマリー・ジャッジメント。裁判官が争点が無いとの心証を得た場合に、陪審員による事実審理(trial)を省略し下す決定。 Rule 56 に基づく。
〕の(''motion for summary judgment'')を全て認め、他方フィールドの略式判決の申立は全て却下された〔
Order, p. 24 (412 F.Supp.2d (at) 1125)
〕。'Field v. Google, Inc.'', 412 F.Supp. 2d 1106 ( 2006))とは、Googleに対し提起された著作権侵害訴訟である。この事件はGoogleの「検索エンジンのキャッシュによるハイパーリンクの掲示(''display'')」がフェアユースとして認められた一つの裁判例であり、地区裁判所という下級審ながらもその判例が他のいくつかの判例へ引用されている〔
〕〔
''How this document has been cited''
〕。
原告のブレーク・A・フィールド(Blake A. Field)は、自身が排他的権利(''exclusive right'')を持つ著作物を自身の所有するウェブサイトにアップロードしたが、その後被告のGoogleが原告のウェブサイトを「キャッシュ」し、その複製を被告の検索エンジン上で利用可能状態にしたため、当該著作物の権利を侵害した、と主張した。これに対し被告は複数の抗弁を提起した。(''implied license'')、禁反言(''estoppel'', エストッペル)、フェアユース、及びデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の(''safe harbor protection'', セーフ・ハーバー・プロテクション)〔
誠実に行為をなした(''act in good faith'')か、または法で定められる基準を満たせば民事上の法的責任(liability)を軽減するという制定法上の条項。DMCAの場合、その「第2編: 」(Title II: Online Copyright Infringement Liability Limitation Act, OCILLA, )に実質的規定が存在する。ここには(ISPなどオンライン・サービスを提供する全ての事業者。ちなみにISPは(a)のいわゆる"conduit",「『導管』型事業者」に含まれる)のサービス内容(同条(n)でいう''separate and distinct functions'', 「別個独立の機能」)に対し、著作権侵害に対する法的責任の制限される内容とそれが認められるための条件が規定されている。本件の場合、被告のキャッシュは"(b) System Caching"(システム・キャッシング)に該当すると法廷は認定した。ところで"(d) Information Location Tools"(情報特定手段)は検索エンジンのことを指しているのだが、両当事者も法廷もこのことには触れていない。本法は、日本法上で完全には合致するものはないが、プロバイダ責任制限法の一部が相当する。
〕の4つである。法廷はGoogleの〔
サマリー・ジャッジメント。裁判官が争点が無いとの心証を得た場合に、陪審員による事実審理(trial)を省略し下す決定。 Rule 56 に基づく。
〕の(''motion for summary judgment'')を全て認め、他方フィールドの略式判決の申立は全て却下された〔
Order, p. 24 (412 F.Supp.2d (at) 1125)
〕。', 412 F.Supp. 2d 1106 ( 2006))とは、Googleに対し提起された著作権侵害訴訟である。この事件はGoogleの「検索エンジンのキャッシュによるハイパーリンクの掲示(''display'')」がフェアユースとして認められた一つの裁判例であり、地区裁判所という下級審ながらもその判例が他のいくつかの判例へ引用されている〔
〕〔
''How this document has been cited''
〕。
原告のブレーク・A・フィールド(Blake A. Field)は、自身が排他的権利(''exclusive right'')を持つ著作物を自身の所有するウェブサイトにアップロードしたが、その後被告のGoogleが原告のウェブサイトを「キャッシュ」し、その複製を被告の検索エンジン上で利用可能状態にしたため、当該著作物の権利を侵害した、と主張した。これに対し被告は複数の抗弁を提起した。(''implied license'')、禁反言(''estoppel'', エストッペル)、フェアユース、及びデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の(''safe harbor protection'', セーフ・ハーバー・プロテクション)〔
誠実に行為をなした(''act in good faith'')か、または法で定められる基準を満たせば民事上の法的責任(liability)を軽減するという制定法上の条項。DMCAの場合、その「第2編: 」(Title II: Online Copyright Infringement Liability Limitation Act, OCILLA, )に実質的規定が存在する。ここには(ISPなどオンライン・サービスを提供する全ての事業者。ちなみにISPは(a)のいわゆる"conduit",「『導管』型事業者」に含まれる)のサービス内容(同条(n)でいう''separate and distinct functions'', 「別個独立の機能」)に対し、著作権侵害に対する法的責任の制限される内容とそれが認められるための条件が規定されている。本件の場合、被告のキャッシュは"(b) System Caching"(システム・キャッシング)に該当すると法廷は認定した。ところで"(d) Information Location Tools"(情報特定手段)は検索エンジンのことを指しているのだが、両当事者も法廷もこのことには触れていない。本法は、日本法上で完全には合致するものはないが、プロバイダ責任制限法の一部が相当する。
〕の4つである。法廷はGoogleの〔
サマリー・ジャッジメント。裁判官が争点が無いとの心証を得た場合に、陪審員による事実審理(trial)を省略し下す決定。 Rule 56 に基づく。
〕の(''motion for summary judgment'')を全て認め、他方フィールドの略式判決の申立は全て却下された〔
Order, p. 24 (412 F.Supp.2d (at) 1125)
〕。
== 背景 ==
原告は弁護士(attorney)及び作家であり、ネバダ州の(state bar association)に所属している。2004年4月6日、原告は法廷に単一の請求に関する訴状''complaint'')を提出した。その訴状内容は、原告が所有する、''www.blakeswriting.com''〔
次は、訴訟提起時のコンテンツ・データである(インターネット・アーカイブ提供によるスナップショット)。''Welcome to blakeswritings.com''
〕にて予め公開(''publish'', 発行)していた原告の著作物(題名は''Good Tea'')のうち1つが、本件申立における被告の複製及び頒布(''distribute'')〔
のちに述べる''Cached''リンクという被告サービスの機能提供行為により、インターネット上での「公衆への頒布権」(''right of public distribution'', (3))を侵害したと原告は主張する。''cf.'' 公衆送信権
〕のため著作権を侵害されたと主張するものである。〔
Order, p. 1 (412 F.Supp.2d 1110)

同年5月25日、原告は同様にインターネット上で無償で(''for free'')〔
Order, p. 7 (412 F.Supp.2d 1114), "''Statement of procedural history & undisputed facts''", 27.
〕全世界に向けて(''to the world'')〔予め公開していた50の著作物の権利も被告が侵害したと主張する「修正訴状」(''Amended Complaint'')を提出した。その際原告は実際に被った損害(''actual damages'')に対する賠償ではなく、計255万ドルの法定損害賠償
Order, p. 7 (412 F.Supp.2d 1114), "''Statement of procedural history & undisputed facts''"(「手続履歴及び争いのない事実の供述」)の27.によると、原告の51の著作物は提訴前の2004年1月16日にに登録されており(''registered'')(著作権局の登録データ を参照せよ)、法定損害賠償請求の条件であるの規定は満たされている。損害額は1著作物当たり5万ドル、計255万ドルであると算定。この時原告は被告の行為が故意であると主張したため、単位著作物当たりの請求額が"17 U.S.C. § 504(c)(2)"に基づき増額されたものとなっている。詳しくは記事"故意侵害による法定損害賠償"を参照。
〕を差止救済(''injunctive relief'')に加えて請求した〔
Order, pp. 1-2 (412 F.Supp.2d 1110)
〕。
その後両者はそれぞれ略式判決を申し立て、これに基づき2005年12月19日、法廷は「両訴訟当事者の『略式判決交差申立』に関する『審問』」(''hearing on the parties' cross-motions for summary judgment'')を開催した。この時被告はDMCA512条(b)(セーフ・ハーバー・プロテクション)に基づき、自身に有利な「部分的略式判決」(''partial summary judgment'')の口頭申立(''oral motion'')を行った〔
Order, p. 2 (412 F.Supp.2d 1110)
〕。
被告であるGoogleは有名な検索エンジンを運営する法人である。被告と同様の検索エンジンはインターネット上の大量の情報を収集しており、サービス利用者は特定の情報をここから選別することが可能となる。インターネット上には大量のウェブページが存在するため、被告がこれらを手動で特定し(''locate'')、索引作成(''index'', インデックス)、及び目録作成(''catalog'', カタログ)することは不可能である。そこで被告は"Googlebot"と呼称される自動化プログラムを使用している。このプログラムは連続的にインターネット上のウェブサイトを走査し、使用及び利用可能なウェブページの特定及び解析を行い、これらを被告の持つウェブ検索用索引に目録化する(ウェブサーチインデックスにカタログする)。〔
この処理過程において、Googlebotは当該ウェブサイトの複製を作成し、そのHTMLコードを「キャッシュ」("''cache''")と呼ばれる「一時的保管場所」(''temporary repository'')に「蓄積」(''store'')する。被告が「キャッシュ」内にあるウェブページをひとたびインデックス及び蓄積するならば、サービス利用者の「質問入力」(''query'', クエリ)に応答し被告がサービス利用者に掲示する検索結果内に、随時、被告は当該ウェブページを含めることができる。この各検索結果には、ウェブページの「題名」(''title'')、ウェブページの引用である「断片」(''snippet'', スニペット、スニピット)及び"''Cached''"(「キャッシュト」)〔
詳しくは、Googleのヘルプページ 他ページ )を参照。Googleのインタフェース表示が日本語の場合、当該ハイパーリンクは「キャッシュ」と表示されている。
〕という目印が付けられたハイパーリンク、以上3つの項目が存在する。サービス利用者が題名リンクの代わりにこの''Cached''リンクをクリックすると、原著作物(''original work'')であるウェブページではなく、被告の持つシステム・キャッシュ内に蓄積されている記録保管用複製(''archival copy'')を掲示する。この記録保管用複製はGooglebotがサイトを訪問及びその解析を行った最終時刻時点の「スナップショット」(''snapshot'')であり、当該ウェブページにその旨記載がある。またこの''Cached''リンクのページには(''disclaimer'', ディスクレーマー、責任否認声明)が明瞭に表示されており、そこにはこのページが被告の持つキャッシュから引き出したページのスナップショットであり、元のウェブページではないこと、そして、現在のウェブページとは異なる可能性があると記載されている。またこの免責事項には元のウェブページへのハイパーリンクが2つ存在する。〔
Order, pp. 2-3 (412 F.Supp.2d 1110-1111)

被告はこの''Cached''リンクを通じウェブページの複製へのアクセスを許容しているが、その目的は、何らかの理由で原サイトへアクセス不能である場合の代替物としての記録保管用複製の利用、原ウェブページとの時系列比較、及び検索クエリの特定を容易にするための表示〔
''Cached''ページ上で検索した文字列をハイライトする機能を指す。
〕を提供するというサービス利用者の利便性を図るためである〔
Order, pp. 4-5 (412 F.Supp.2d 1111-1112)
〕。
インターネットの規模を考えれば、検索結果の表示またはキャッシュの利用に関して被告(のみならずその他の検索サービス提供者も)がウェブサイト所有者に個別に問い合わせることは不可能である。これに対し、ウェブサイト所有者側がその可否の旨をクローラに自動的に通知するための業界標準(''industry standard'')な「規約」(''protocol'')が広く公表され、知られている〔
Order, p. 11 (412 F.Supp.2d 1116)によると、少なくとも原告は知っている。また被告側鑑定人Expert witness)は以下に述べるタグなどはもはや業界標準であり広く知れ渡っていると主張し法廷もそれを認めている。
〕。また被告自身もその通知の仕方を http://www.google.com/remove.html にて掲示している。〔
Order, p. 5 (412 F.Supp.2d 1112)
〕主な方法としては、ウェブページを構成するHTMLコードのに特定の「指示」(''instructions'')を書き加えることでGooglebotはサイト訪問時にこれに従う。例えばウェブページの解析を許可しない、またはインデックス及び検索結果からの除外を要求する場合は""というタグを書き込む。この他、「キャッシュ」への登録を許可しないタグ、インデックスへの登録は許可するが「キャッシュ」への登録を許可しない規約、並びにサイト上のボットのクロールを許可せず加えて検索結果及び''Cached''リンクを除去するための規約(robots.txt)も存在する。〔
Order, pp. 5-7 (412 F.Supp.2d 1112-1113)

原告が提出したからも明らかな通り、原告は以上述べたGooglebotの「知識」(''knowledge'')を知っており(Field at 103:15-20., 74:8-22, and 109:22-110:6)〔
例えばOrder, p. 7 (412 F.Supp.2d 1114)の"''Statement of procedural history & undisputed facts''", 28.によると、原告がrobots.txtに、検索エンジンのボットのアクセスを拒否するのではなく、むしろサイト全体のクロールを全ての検索エンジン・ボットに許可(''allow'')するための指示をわざわざ書き込んでいる。法廷は原告が被告のキャッシュから原告の著作物を除去することは先述した業界標準の規約を使用すれば可能であったと同29.で説示する。
〕、被告の「標準的業務慣行」(''standard practice'')を巧みに利用し金銭的利益を得る目的で被告に対する著作権侵害の請求をでっち上げよう(''manufacture a claim'')と決心した(''id.''(同上。Field Dep.) at 79:8-15, 141:15-24)。〔
Order, p. 7 (412 F.Supp.2d 1113)

被告は、原告が訴状提出し、まだ訴状が送達(''serve a complaint'')されていない段階で当該''Cached''リンクの掲示をやめ、原告が望まない場合''Cached''リンクは掲示しない旨の書面を原告に送った〔
Order, p. 8 (412 F.Supp.2d 1114)
〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「フィールド対Google事件」の詳細全文を読む




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