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フォン・ノイマンエントロピー()は、統計力学におけるの量子力学的な拡張である。名称は数学者のジョン・フォン・ノイマンに因む。密度行列 で記述される一般の量子系に対し、フォン・ノイマンエントロピー は、以下のように定義される。 : ここで はトレースを表し、 は行列自然対数を表す。 が固有ベクトル によって展開できる場合、密度行列は以下のように表示できる。 : また、フォン・ノイマンエントロピーは、単に〔 : となり、フォン・ノイマンエントロピーは情報理論におけるシャノンエントロピーと形式的に一致する。シャノンエントロピーとの関係から、フォン・ノイマンエントロピーやそれに付随する物理量に対して情報理論的な解釈を与えることができる〔。 == 背景 == ジョン・フォン・ノイマンは量子力学における様々な定式化をまとめ上げ、量子力学の数学的な基礎を確立した。フォン・ノイマンの仕事は1932年に刊行された著書『量子力学の数学的基礎』〔; 〕にまとめられた。フォン・ノイマンは、測定に伴う波動関数のを非可逆過程として記述する測定理論を構成した。フォン・ノイマンによって定式化された測定は、射影測定あるいはフォン・ノイマン測定と呼ばれる。 密度行列は、フォン・ノイマンとレフ・ランダウとで独立に定式化されたが、両者は異なる動機を持っていた。ランダウは、状態ベクトルによる混合量子系の部分系を記述することが不可能であるということである。他方、フォン・ノイマンは、量子統計力学と量子測定の理論の双方の発展のために密度行列を導入した。 密度行列の定式化は、古典統計力学のツールの量子力学領域への拡張として発展した。古典的なフレームワークにおいて、すべての可能な熱力学的な量を求めるために、系の分配関数が導入された。フォン・ノイマンは、ヒルベルト空間の中の状態と作用素の脈絡において、密度行列を導入した。統計的な密度行列作用素の考え方は、概念的には似ているが数学的には異る方法で、すべての平均的な量を計算することを可能とする。量子数の集合 ''n''1, ''n''2, ..., ''n''''N'' 上にパラメータで与えられる波動函数の集合 |''Ψ''〉 が与えられたとする。与えられた自然な変数は、系の実際の波動函数の中の基本的な粒子の特別な波動函数を持つ振幅である。この振幅の二乗を ''p''(''n''1, ''n''2, ..., ''n''''N'') と表すとする。目標はこの量 ''p'' が相空間の古典的な密度函数となることである。''p'' が古典極限において密度函数となり、(Ergodicity)な性質を持つことを示す必要がある。''p''(''n''1, ''n''2, ..., ''n''''N'') が運動の定数であることを確認した後に、確率 ''p''(''n''1, ''n''2, ..., ''n''''N'') のエルゴード仮設が ''p'' をエネルギーのみの函数とする. この過程の後、結局、使った表現に関して ''p''(''n''1, ''n''2, ..., ''n''''N'') が不変であるとき、密度行列の定式化という結論へ達する。このように記述された形式において、正しい量の期待値は、量子数 ''n''1, ''n''2, ..., ''n''''N'' に対して対角的である。 対角的ではない作用素の期待値は、量子振幅の相を意味する。量子数 ''n''1, ''n''2, ..., ''n''''N'' が単独の添字 ''i'' または、''j'' にエンコードされているとすると、波動函数は、 : という形をしている。従って、これらの波動函数の対角的ではない作用素 ''B'' の期待値は、 : である。従って、量 を保存する元々の役目は、系 ''S'' の密度行列としてとられる。 : 従って は : である。 上の項の不変性は、行列の理論により記述される。数学的なフレームワークにおいて、行列のように量子的な作用素の期待値として行列のように記述されるとき、密度行列作用素 と作用素 の積のトレースによりえることができる(作用素間のヒルベルトスカラー積)。ここでの行列による定式化は、通常の場合のように有限の量子系で適用されるにもかかわらず、統計力学的なフレームワークであり、そこでは系の状態は純粋状態として記述することはできないが、上記のように統計的作用素 により表される。数学的には が単位的なトレースをもつ半正定値エルミート行列である。
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