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フムレン
フムレン(Humulene)は、天然に存在する単環式セスキテルペンである。α-フムレンまたはα-カリオフィレン(α-caryophyllene)とも呼ばれる。 ホップ(''Humulus lupulus'')の精油から発見されたため、この名前が付けられた〔Glenn Tinseth, "Hop Aroma and Flavor", January/February 1993, Brewing Techniques. Accessed July 21, 2010〕。β-カリオフィレンの異性体であり、この2つの化合物は、天然ではしばしば混合物として見られる。テンダイウヤク(''Lindera aggregata'')にも含まれ、またベトナムコリアンダー(''Persicaria odorata'')のスパイス風味、ホップやアサの香りを与えている。 ==合成== フムレンは、ファルネシルピロリン酸に由来する多くのセスキテルペンの1つである。生合成は、セスキテルペンシンターゼの作用によって、ファルネシルピロリン酸からピロリン酸基が外れ、分子内アタックを受けやすいアリルカチオンが生じるところから始まる〔Moss, G.P., “Humulene derived sesquiterpenoid biosynthesis.” International Union of Biochemistry and Molecular Biology Enzyme Nomenclature. Accessed April 10, 2011. http://www.enzyme-database.org/reaction/terp/humul.html 〕。 この生合成は、研究室でも模倣することができ、Corey合成と呼ばれる。大員環の異なる位置のC-C結合で閉じる合成法もある。McMurry合成では、チタン触媒のカルボニルカップリング反応が用いられる。Takahashi合成では、シアノヒドリンアニオンによるハロゲン化アリルの分子内アルキル化が用いられる。Suginome合成では、ゲラニル基が用いられ、de Groot合成では、ユーカリ油の粗蒸留物からフムレンが合成される〔Goldsmith, David. "The total synthesis of natural products". Canada: John Wiley & Sons. 1997 pp 129-133〕。また、下記のように4つの部分を組み合わせてパラジウム触媒で環化させて作ることもできる。この合成は、C-C結合の形成と環化が単純で、関連ポリテルペノイドの合成にも有効であると考えられている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フムレン」の詳細全文を読む
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