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フラ・マウロの世界図 : ミニ英和和英辞書
フラ・マウロの世界図[ふら まうろのせかいず]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [よ, せい]
 【名詞】 1. world 2. society 3. age 4. generation 
世界 : [せかい]
 【名詞】 1. the world 2. society 3. the universe 
: [ず]
  1. (n,n-suf) figure (e.g., Fig 1) 2. drawing 3. picture 4. illustration 

フラ・マウロの世界図 : ウィキペディア日本語版
フラ・マウロの世界図[ふら まうろのせかいず]

フラ・マウロの世界図(フラ・マウロのせかいず、)は、15世紀中葉に、ヴェネツィアの修道士フラ・マウロが製作した旧世界の地図である(マッパ・ムンディ)。フラ・マウロの(世界)地図とも呼ばれる。直径約2mほどの正円の羊皮紙に描かれ、木枠にはめられている。15世紀後半に復興するプトレマイオス地図学以前の、すなわち、中世の地図作成技術の偉大な記念碑〔Roberto Almagià, ''Monumenta cartographica vaticana'', (Rome 1944) I:32-40.〕と位置づけられている。
ポルトガル王アフォンソ5世の依頼で、フラ・マウロはこの地図の複製を、船乗りの地図製作者アンドレア・ビアンコと共に制作している。1459年4月に完成してポルトガルに送られたが、現存していない。
この地図は、フラ・マウロが属するカマルドリ会の地図製作所があったムラーノ島のサン・ミケーレ修道院(San Michele di Murano)で発見された。現在はヴェネツィアの国立マルチャーナ図書館の階段部分に収められているが、コッレール博物館からも、係員に申し込めば、東端の部屋からここに行くことができる。
ローマ教区総代理であったプラチド・ズルラの研究(1806年)以来、この地図は、数々の地図学の専門家によって研究されている。2006年には、ピエロ・ファルケッタによる校訂版が出ている。
== 地図の解説 ==

プトレマイオスの影響を受ける近代地図と異なり、同図はイスラムの地図伝統と同じく、南が上になっている。フラ・マウロはプトレマイオスの地図を熟知していたが、それが不十分であると同図の中に次のように記している。
私がプトレマイオスの『地理学』には倣わないとしても、彼を傷つけることになるとは思われない。彼(の地図)の経線、緯線、あるいはその度を見てみるなら、周辺部の、既知である土地の外の土地の提示に関しては、プトレマイオスが多くの地方を記さずに省いたことは必要なことであったろう。しかし、主に南から北への緯線(方向)において、彼(の地図)にはたくさんの未知の土地 ''terra incognita'' があった。彼の時代には知られていなかったのである。〔Monograph on Fra Mauro's map. Henry Davis による。〕

しかしフラ・マウロは、プトレマイオスを通じて東方の広がりも知っていたので、それ以前には世界地図の中心に位置づけられていたエルサレムを中心から外した。
エルサレムは確かに、緯度からいえば人間が住む世界の中心であるが、経度からいえば、やや西にある。しかし西の部分はヨーロッパであるために、より人が密集して住んでおり、それ故に、空所を考慮せずに人口密度を考慮するなら、エルサレムは経度的にも中心である。〔

中世の学者の間では一般的であったことだが、フラ・マウロもまた、世界が球であると認識していた。しかし、円盤型の枠内に海に囲まれた大陸を描くという慣習に倣っている。他方、世界の大きさについては、分かっていなかった。
なおまた私は、周辺部についての様々な意見を見つけたものの、それらを確かめることは出来ない。様々な考察や意見によれば、22,500ミリオ、あるいは24,000ミリオ、それ以上ともそれ以下とも言われているが、それらは実験されているわけではないので、あまり信頼できるものではない。〔

「ミリオ miglia 」は英語でいう「マイル」に当たり、1592年までは正確に規格化されてはいなかったので、ここで意図されている大きさは曖昧ではある(なお、地球の平均円周は現在でいうと 24,880マイル)。
同図内に記されている居住地(城や街)や山などの、その地誌も重要である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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