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フルレンジ : ウィキペディア日本語版
フルレンジ
フルレンジ)は低音から高音用まで一種類のユニットで再生するスピーカーユニットの事である。あるいはそのユニットのみを用いたスピーカーシステムのことである。'')は低音から高音用まで一種類のユニットで再生するスピーカーユニットの事である。あるいはそのユニットのみを用いたスピーカーシステムのことである。
==概略==
フルレンジとは、低音から高音用まで一種類のユニットで再生するスピーカーユニットの事である。かつてはワイドレンジユニットという言い方もされた。
あるいは、上記の一種類のスピーカーユニットのみを用いたスピーカーシステムのことであり、シングルコーンともいう。一方で、複数のスピーカーユニットによって周波数帯域を分割して再生するスピーカーシステムはマルチウェイという。フルレンジは、マルチウェイが登場したことによるレトロニムでもある。
発音箇所が1箇所に限られること(点音源)に加え、クロスオーバー・ネットワークを介さないことによる音質の劣化が無いのが長所である。100Hz~5kHzという楽音で重要な帯域での位相の変化がなめらかなため、ステレオ再生での定位感が優れているほか、ボーカルの自然な再生音が得られる。反面、1個のユニットで全ての帯域を受け持つ事により、低音と高音の再生能力に限界があるほか、音量にも限界がある。特に高域は「コーンの分割振動」という共振現象を伴うため、高域の平坦性以外にも、歪みや位相特性が悪化する。
1個のスピーカーユニットを使用したものとは限らず、同一種類のユニットを複数使う場合もある。
音量の限界については、複数のユニットを同時に鳴らすことも行われる。マイクによる音声が主体の講義室、体育館などのPA設備ではラインアレイ(トーンゾイレ)という方法がとられる。音楽ステージ用にフルレンジが多数使われた例として、かつてはシドニーのオペラハウスなどがあった。
高域特性を改善するために、高音再生時にはスピーカーユニットの振動板の中心部分(センターキャップ。あるいは中心に付加された小さなコーン)のみが動作するものをメカニカル2ウェイというが、これは一般にいうマルチウェイではなく、フルレンジの一種である。ダブルコーン、デュアルコーンと呼ばれるものもこの分類である。再生帯域はマルチウエイにはやや及ばないものの、広帯域にて位相特性もよく、バランスの良い再生音が得られるのが特徴である。
また、フルレンジの再生周波数を改善するために、高音にスーパーツイーター、低音にサブウーファー(のどちらか。あるいは両方)を追加することもある。スーパーツイーター、サブウーファーを追加したものは、スピーカーシステムとしてはマルチウエイという事になる(ただしサブウーファーは、往々にして別筐体になる場合が多い)。上記のメカニカル2ウエイも、それだけならフルレンジの一種であるが、スーパーツイーターやサブウーファーの付加で、真のマルチウエイとする事もできる。
一般にコストが安いとされ、市販のスピーカーでは、比較的安価な製品(ラジカセMD/CDシステム等)にフルレンジを採用するものが多い。テレビのスピーカーの多くもフルレンジである。5.1chサラウンドで、サテライト・スピーカーと呼ばれているもののほとんどはフルレンジを使用している。
一方で、オーディオ用として高性能を意図した高級品もあり、1本が10万円を超える高価なものも存在する。従来のスピーカーが周波数成分を忠実に再生しようとするのに対し、音の形を正しく再生しようとするタイムドメイン・スピーカー富士通テンECLIPSEシリーズ等)も、フルレンジを採用している。システムとしては、BOSE901シリーズはフルレンジユニットを9個使用し、さらにはイコライザー機能を加えた比較的高級なスピーカーとなる。
ハイファイ再生用のフルレンジが現れたのは、ステレオ録音やFM放送が本格的となった1950年代以降のことであり、当時は70Hz~15kHzの再生周波数が再生できるものを指していた。Western Electric社の755E、JBL社のLE8T、ダイヤトーン三菱電機〔なおダイヤトーンブランドは2005年以降より同社の子会社である三菱電機エンジニアリングに移管されている。〕)のP-610、松下電器産業(現・パナソニック)の8P-W1(のちEAS-20PW09に型番変更)、福音電機(現・パイオニア〔なお、同社の家庭用オーディオ・ビジュアル機器部門はその後、同社の子会社であったパイオニアホームエレクトロニクスを経て、現在はオンキヨーの完全子会社のオンキヨー&パイオニアに移管されている。〕)のPIM-8(のちPIM-20Aに型番変更)およびPIM-6(のちPIM-16Aに型番変更)、Lowther社のPM6Aなどはこの時代に開発されたものであり、製造中止となったものは現在でも高額で売買される。
日本でフルレンジがオーディオ用として普及したのは、自作スピーカーの方面である。初心者にとっては、コイルコンデンサーなど回路が必要ないフルレンジのスピーカーは、作り易いものである。そのためオーディオ・メーカーのほとんどは、かつてはフルレンジのスピーカーユニットを製造販売していた。オーディオ誌の多くには自作スピーカーのページが割かれ、特に長岡鉄男の設計したバックロードホーン型のエンクロージャーは今でも多くのファンが存在する。また自作オーディオ用のスピーカーユニットとしてはスコーカーがほとんど販売されていないため、マルチウエイのスピーカーを自作する場合には、例えばスーパーツイーター+フルレンジ+サブウーファーというユニット構成になる場合が多い。あるいはフルレンジのユニットの高音・低音をカットして、スコーカーの代用とする場合がある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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