|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 作 : [さく] 1. (n,n-suf) a work 2. a harvest ・ 作用 : [さよう] 1. (n,vs) action 2. operation 3. effect 4. function ・ 用 : [よう] 1. (n,n-suf) task 2. business 3. use ・ 素 : [もと] 1. (n,n-suf,n-t) (1) origin 2. basis 3. foundation
数学の分野におけるフレドホルム作用素(フレドホルムさようそ、)とは、積分方程式に関するフレドホルム理論において登場するある作用素のことを言う。数学者のエリック・イヴァル・フレドホルムの名にちなむ。 フレドホルム作用素は、二つのバナッハ空間の間の有界線形作用素であって、その核および余核が有限次元であり、その値域が閉であるようなもののことを言う(最後の条件は実際には必要ない〔Yuri A. Abramovich and Charalambos D. Aliprantis, "An Invitation to Operator Theory", p.156〕)。またそれと同値な定義として、ある作用素 ''T'' : ''X'' → ''Y'' がフレドホルム作用素であるとは、それがコンパクト作用素を法として可逆な作用素である(適当なコンパクト作用素の違いを除いて可逆である)こと、というものがある。すなわち : がそれぞれ空間 ''X'' および ''Y'' 上のコンパクト作用素となるような有界線形作用素 ''S'' : ''Y'' → ''X'' が存在するならば、''T'' はフレドホルム作用素である。 フレドホルム作用素の指数は : あるいは、それと同値だが : で定義される(記号の意味については次元、零空間、 を参照されたい)。 ==性質== 空間 ''X'' から空間 ''Y'' への全てのフレドホルム作用素から成る集合は、全ての有界線型作用素が作用素ノルムをノルムとして成すバナッハ空間 L(''X'', ''Y'') において開集合となる。より正確に述べれば、作用素 ''T''0 が ''X'' から ''Y'' へのフレドホルム作用素であるならば、‖''T'' − ''T''0‖ < ''ε'' をみたすすべての L(''X'', ''Y'') の元 ''T'' が ''T''0 と同じ指数を持つフレドホルム作用素となるような正の数 ''ε'' > 0 が存在する。 ''T'' が ''X'' から ''Y'' へのフレドホルム作用素であり、''U'' が ''Y'' から ''Z'' へのフレドホルム作用素であるとき、その合成 ''U'' ∘ ''T'' は ''X'' から ''Z'' へのフレドホルム作用素となり : が成立する。 ''T'' が ''X'' から ''Y'' へのフレドホルム作用素であるとき、その転置または随伴作用素 は から へのフレドホルム作用素となり、 が成立する。''X'' と ''Y'' がヒルベルト空間であるとき、同じ結論がエルミート共役 ''T''∗ に対して成立する。 ''T'' がフレドホルム作用素で ''K'' がコンパクト作用素なら、''T'' + ''K'' はフレドホルム作用素となる。''T'' についてのコンパクトな摂動の下でも ''T'' の指数は一定である。このことは の指数 ''i''(''s'') が に含まれるすべての ''s'' に対して整数で、かつ ''i''(''s'') が局所定数函数となることから ''i''(1) = ''i''(0) が成立するという事実により従う。 そのような摂動に関する不変性は、コンパクト作用素以外の作用素に対しても成立する。たとえば ''T'' がフレドホルム作用素で ''S'' が厳密特異作用素であるとき、''T'' + ''S'' は ''T'' と指数の等しいフレドホルム作用素となる〔T. Kato, "Perturbation theory for the nullity deficiency and other quantities of linear operators", ''J. d'Analyse Math''. 6 (1958), 273–322.〕。ここで、''X'' から ''Y'' への有界線形作用素 ''S'' が厳密特異であるとは、''X'' の任意の無限次元部分空間 ''X''0 への作用素 ''S'' の制限が同型とならないこと、すなわち : が成立することを意味する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フレドホルム作用素」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|