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「ブルースパーティントン設計書」(ブルースパーティントンせっけいしょ、原題:"")は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち39番目に発表された作品である。イギリスの『ストランド・マガジン』1908年12月号、アメリカの『コリアーズ・ウィークリー』1908年12月18日号に発表。1917年発行の第4短編集『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』(''His Last Bow'' ) に収録された〔ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、294頁〕。 == あらすじ == 1895年11月の第3週の火曜日、ウーリッジの兵器工場に勤めるカドガン・ウェスト青年がロンドンの地下鉄の線路脇で死体となって発見された。そのポケットに入っていたのは、イギリス国家の最高機密とされ、ウェスト青年が勤める兵器工場の金庫室に厳重に保管されていたはずの最新鋭兵器「ブルース・パーティントン型潜水艦」の設計書10枚の図面のうち7枚であった。残りの3枚はポケットに入っていなかった。 その週の木曜日、シャーロック・ホームズの兄マイクロフトが自らホームズの住所へ訪ねて来た。マイクロフトは政府の重要な地位にあり、本来は彼が事件の捜査を担当すべき立場であったが、彼は他の仕事で多忙なため、弟のシャーロックに事件の捜査を依頼しに来たのであった。国家の最高機密である新型潜水艦の設計書がなぜ持ち出されたのか。ウェストはどのようにして殺され、現場まで死体が運ばれたのか。残りの3枚の図面はどこにあるのか。マイクロフトは、他の事件の依頼を全て後回しにしてこの事件の捜査に全力を尽くすよう、ホームズに強く要請した。 警察は当初、ウェスト青年が結婚を控えていて金が必要であったために図面を盗み出し、外国のスパイに売り渡そうとしたが争いに巻き込まれて殺され、図面の中でも特に重要な3枚を奪われたものと推測していた。しかし、ホームズは捜査を進めるにつれて、ウェスト青年は何者かの手で盗まれた図面を取り戻そうとしていたものの敵のスパイによって殺され、列車の屋根の上に乗せられた(そして現場から遠く離れた場所で屋根から転げ落ちた)という結論に達する。ホームズは、マイクロフトから提供された主要な外国のスパイの情報を手がかりに、地下鉄の地上部分の線路脇に住むオーバーシュタインというスパイが事件の主犯であると目星を付け、『デイリー・テレグラフ』紙の私事広告欄に載っていた奇妙な広告を見付ける。オーバーシュタインの指示で図面を盗んだ実行犯が、この広告を通してオーバーシュタインと連絡を取っているに違いないと推測したホームズは、オーバーシュタインの振りをして偽の広告を出し、実行犯をおびき出すことにした。この広告に引っかかってきたのは、事件直後に急死した潜水艦局長の弟であるヴァレンタイン・ウォルター大佐であった。 ウォルターは株取引の失敗で多額の借金があり、破産の危機に追い込まれていたため、潜水艦局長である兄が所持していた兵器工場の鍵の合鍵を密かに作って、工場の金庫室に侵入し、問題の図面を盗み出すと、大金と引き換えにそれをオーバーシュタインに売り渡した。そのことに気付いたウェスト青年は、図面を取り戻そうとしてウォルターを尾行し、オーバーシュタインの住居にたどり着いたが、ウェストはその場でオーバーシュタインに殺された。オーバーシュタインは10枚の図面の中から特に重要な3枚を抜き取ると、事件の責任をウェストに押し付けるために残りの7枚をウェストの服のポケットに押し込み、ちょうど住居の傍で一時停車した列車の屋根にウェストの死体を乗せて体よく始末した後、3枚の図面と共に外国へ逃走したのである。一方、ウェストと同じくウォルターが図面を盗んだことに気付いた潜水艦局長は、事件については何も語らず、弟が起こした不祥事の責任を背負い込む形で自殺したのであった。 ウォルターの自白によって事件の真相を全て知ったホームズは、オーバーシュタインの連絡先をウォルターから聞き出すと、罪の償いをするためにオーバーシュタインをおびき出す偽の手紙を出すよう、ウォルターを促した。ホームズの指示に従ってウォルターが書いた偽の手紙に引っかかり、指定の場所に現れたオーバーシュタインはその場で警察に逮捕され、盗まれた図面も無事に取り戻されたのであった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ブルースパーティントン設計書」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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