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化学において、ブレンステッド-ローリーの酸塩基理論(ブレンステッド-ローリーのさんえんきりろん、Brønsted–Lowry acid-base theory)とは、酸塩基理論の一つで、1923年にヨハンス・ブレンステッドとマーチン・ローリーによってそれぞれ独立に提案された〔R.H. Petrucci, W.S. Harwood, and F.G. Herring, General Chemistry (8th edn, Prentice-Hall 2002), p.666〕〔G.L. Miessler and D.A. Tarr, Inorganic Chemistry (2nd edn, Prentice-Hall 1998), p.154〕。この理論では、ブレンステッド酸となる分子またはイオンは水素イオン(プロトン)を失うまたは供与するもの、ブレンステッド塩基となる分子またはイオンは水素イオンを得るまたは受容するものと定義している。 == 酸と塩基の性質 == 物質が酸として振る舞うとプロトンを供与し、必然的に塩基はプロトンを受容する。ブレンステッド-ローリーの概念は以下の反応で定義することができる。 :酸 + 塩基 共役塩基 + 共役酸 共役塩基はプロトンを失った後のイオンまたは分子で、共役酸は塩基からプロトンを受容した後の化学種である。反応は前方にも後方にも進めることができ、その都度、酸はプロトンを塩基へ供与する。 水は両性物質であり、酸としても塩基としても振る舞うことができる。酢酸と水では水は塩基として作用する。 :CH3COOH + H2O CH3COO- + H3O+ 酢酸イオン CH3CO2- は酢酸の共役塩基で、ヒドロニウムイオン H3O+ は水の共役酸である。 アンモニアと水では水は酸として作用する。 :H2O + NH3 OH- + NH4+ この反応ではH2OはNH3にプロトンを供与している。水酸化物イオンは水の共役塩基で、アンモニウムイオンはアンモニアの共役酸である。 塩酸のような強酸ではプロトンは完全に分離しており、酢酸のような弱酸では一部分のみが分離している。酸解離定数 p''K''a は酸の強弱を定量的に表す指標の一つである。 無機酸やスルホン酸、リン酸、炭酸、アミン、カルバニオン、1,3-ジケトン(アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、メルドラム酸)など、より広範囲の物質がブレンステッド-ローリーの定義で分類することができる。 塩基を電子対供与体と定義するルイス塩基は、電子対をプロトンに供与できるためブレンステッド塩基として作用できる。これは、ブレンステッド-ローリーの概念が水溶液に限定されないことを意味する。ドナー溶媒 S はプロトン受容体として作用する。 :AH + S: A- + SH+ 酸塩基化学で典型的に用いられるジメチルスルホキシドや液体アンモニアなどのドナー溶媒は、酸素または窒素原子が孤立電子対を有し、プロトンと結合を形成することができる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ブレンステッド-ローリーの酸塩基理論」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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