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プラセボ
placebo ===========================
偽薬(ぎやく)とは、本物の薬のように見える外見をしているが、薬として効く成分は入っていない、偽物の薬の事である。成分としては、少量ではヒトに対してほとんど薬理的影響のないブドウ糖や乳糖が使われる事が多い。プラシーボ( 英音: 米音: )、プラセボ( 仏音: )ともいい、いずれも プラケーボー(「私は喜ばせる」の意)に由来する。 「placebo」は、広義には「薬」以外にも、本物の治療のように見せて実質上の治療の機序が含まれないあらゆる治療手段を指すため、厳密にはより広い意味の言葉である。プラセボ手術(placebo surgery)が行われることすらある。 偽薬は、偽薬効果(プラシーボ効果)を期待して処方されることもあるが、本物の薬の治療効果を実験的に明らかにするため、比較対照試験(対照実験)で利用される事が多い(その代表としては二重盲検法がある)。不眠などの不定愁訴を訴える患者に対し、睡眠薬を継続して処方する事が危険と判断される場合、ビタミン剤を睡眠薬と偽って処方する事があるが、WHOはこのような事を行わないよう勧告している。 偽薬を処方する事に対する倫理的な批判もあるため、現在の治験における比較対照試験では、通常、類似薬効薬が用いられる。 == 偽薬効果 == 偽薬効果(ぎやくこうか)、プラシーボ効果(placebo effect)、プラセボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。この改善は自覚症状に留まらず、客観的に測定可能な状態の改善として現われることもある。原病やその症状自体の改善というよりは、「薬を飲んでいる」事による精神的な安心感の方が目的となる事もあり、このような単なる安楽は通常偽薬効果には含まれないが、その区別が難しいこともある。 1955年にが研究報告をして、広く知られるようになった。近年、喘息患者を対象にした研究で、偽薬や偽の鍼治療などをしても何ら病状(最大呼気流速)は改善されないが、主観的な呼吸苦は西洋医学的な吸入薬(アルブテロール)と同等の改善が見られた〔Wechsler ME, Kelley JM, Boyd IO, Dutile S, Marigowda G, Kirsch I, Israel E, Kaptchuk TJ. "Active albuterol or placebo, sham acupuncture, or no intervention in asthma." ''N Engl J Med.'' 2011 Jul 14;365(2):119-26. PMID 21751905〕(無論、それは良くなった「気がする」だけであって病気自体は何ら改善してはいない)。これにより、偽薬だけでなく「無介入群」を設定することの必要性も提唱されている〔Meissner K, Bingel U, Colloca L, Wager TD, Watson A, Flaten MA. "The placebo effect: advances from different methodological approaches." ''J Neurosci.'' 2011 Nov 9;31(45):16117-24. Review. PMID 22072664〕。 偽薬効果が存在する可能性は広く知られている。特に痛みや下痢、不眠などの症状に対しては、偽薬にもかなりの効果があるとも言われており、治療法のない患者や、副作用などの問題のある患者に対して安息をもたらすために、本人や家族の同意を前提として、時に処方される事がある。医師法にも、暗示的効果を期待し、処方箋を発行する事がその暗示的効果の妨げになる場合に、処方箋を交付する義務がない事が規定されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「偽薬」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Placebo 」があります。
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