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プラトニズム(英語:Platonism)またはプラトン主義とはプラトンの哲学またはプラトンの哲学に強く由来する哲学体系を指して言われる。狭義ではプラトンの実在論の教理を指して言われる。プラトニズムの中心的な構想は、知覚の対象であるが思惟の対象でない実在と思惟の対象であるが知覚の対象でない実在の区別である。この区別をするうえでイデア論は不可欠である。イデアは「パイドン」、「饗宴」、「国家」といった対話篇で、超絶した、完璧な原型として描かれている。日常的世界に存在するものはイデアの不完全なコピーにすぎないとされる。「国家」においては最高のイデアは善のイデアであり、善のイデアは他のすべてのイデアの源泉であって、理性によって知ることができるとされている。プラトンの対話篇で後期に分類されるソピステスでは有のイデア、同のイデア、異のイデアの三つが根本的な「最大の類」とされる。 紀元前3世紀にはアカデメイアの学頭のアルケシラオスが懐疑主義を採用したため、アカデメイアでは懐疑主義が中心教理となった。しかし紀元前90年にはアンティオコスがストア派の原理を取り入れ、懐疑主義を拒絶し、中期プラトニズムとして知られる時代が始まった。 紀元後3世紀にはプロティノスが神秘的要素を取り入れてネオプラトニズムを創始した。ネオプラトニズムでは存在の極致は一者つまり善であり、あらゆるものの源泉であるとされた。つまり、美徳と瞑想によって人間の魂は自身を上昇させ一者と合一することができると説かれた。 プラトニズムは西洋思想に大きな影響を与え、キリスト教にもプラトンの思想がよく取り入れられた。プラトニズムにおけるイデアがキリスト教では神の思考であると理解された。またネオプラトニズムもキリスト教神秘主義に他の何にもまして大きな影響を与えた。 == 概要 == プラトニズムの基本的な構想はイデア論である。唯一の真なる存在はイデア、つまり普遍にして完全な範型であり、知覚の対象となる個々の物はイデアの不完全な模造であるとされる。知覚の対象は大抵絶え間ない変化に巻き込まれ、そのために本当の存在を奪われる〔Oskar Seyffert, (1894), ''Dictionary of Classical Antiquities'', page 481〕。それぞれの数のイデアは個々の知覚の対象に由来しうる普遍的な構想としての数によって定義される〔。以下の引用箇所が中期プラトンの形而上学及び認識論をよく示している。 「国家」第5巻では、善のイデアが最高のイデア、他のすべてのイデアの原因であり、他のあらゆる物事が存在したりそれらを知覚することができるのは善のイデアによるとされている。知覚の印象による思いなしからは決して真なる存在、つまりイデアに関する知識を得ることはできない〔。それは知覚による災いや混乱から離れた魂の活動それ自体の内から、つまり理性の活動からのみ得られる〔。そういった活動の機構としての弁証法によって人はイデアの知識に、最終的には最高の善のイデアに到達できる。弁証法は最初の学問なのである〔。後のプロティノスによって創始されたネオプラトニズムは「国家」の善のイデアを、「パルメニデス(137c-152a)」のいわゆる超越的・究極的な一者と同一視した。 プラトンの倫理学は善のイデアを基盤とする。美徳は知識、つまり超越的な善のイデアの知識である〔。また、この知識のもとでは、人の魂は三つの部分、つまり理性・気概・情念の三つに分けられ、それぞれが役割を持っており、そのため人は知識・勇気・節度の三種類の美徳を持つ〔。別種の美徳を団結させる結合は正義の美徳であり、これによって魂の各部分はそれに適した働きだけをするようになる〔。 プラトニズムは西洋思想に大きな影響を与えた。「ティマイオス」の多くの解釈の内でプラトニズム〔cf. Proclus' commentary on the ''Timaeus''; Cornford 1937〕やアリストテレス哲学が永遠不変の宇宙という考えをユダヤ教の伝統的な考え方に対立するものとして持ち込んだ〔ユダヤ教では宇宙はその連続的な歴史が記録されるような歴史的時間の中で創造されたものであった。〕。アリストテレス哲学とは違ってプラトニズムではイデアは質料に先立つものとされ、人間は魂と同一視される。プラトニズムに含まれる多くの思想はキリスト教において恒常的な位置を築いた〔"Platonism." Cross, F. L., ed. The Oxford dictionary of the Christian church. New York: Oxford University Press. 2005〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「プラトニズム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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