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プログラムピクチャーとは、かつて日本映画の全盛期と言われた時代に、特定の映画会社が製作・配給・興行を一手に支配して、映画館で上映する作品もブロックブッキングで映画会社が決定権を握り、その年間の上映日程が映画会社のスケジュールに沿って上映されるその形態、並びにそのようにして上映される映画をさす。 == 概要 == プログラムピクチャーの定義は複雑で、B級映画と同じように用語の使い方によって微妙にズレる場合がある。 *公開年間番組(プログラム)を埋めていく作品(ピクチャー)をさす。〔「日本映画のヒット力~なぜ日本映画は儲かるようになったか~」大高宏雄 著 13P参照〕 *予定の番組を埋めるために作られる映画のことで、商品としては並みの作品のことになる。〔「映画小事典」田山力哉 著188P参照〕 *アメリカで1910年代半ばから使われるようになった興行における番組の中心、メインになる長編作品(フィーチャー)をさす。〔「世界映画大事典」 769P参照 〕 *日本では1950年代から1970年代にかけて量産体制下で、メインではなくむしろ添え物として作られた作品をさす。〔「世界映画大事典」770P参照〕 「世界映画大事典」によると、映画草創期のアメリカでは上映時間がフィルム1巻が最長であり、興行においては数本の作品を集めた番組(program)を構成するのが通例であった。やがて複数巻の作品(長尺物)が登場してそれらが興行の呼び物となり、フィーチャー(feature)フィルムと呼ばれるようになった。起源はここにあるらしいと指摘している。しかし、ニッケルオデオンからピクチャーパレスに至る時代の映画興行の形態を詳しく著述している加藤幹郎著「映画館と観客の文化史」(中公新書)では、本編を「フィーチャー」と述べているが、「プログラムピクチャー」という単語は使われていない。 また日本の場合は「映画小事典」では商品として並みの作品のことになるとし、「世界映画大事典」では添え物をさすとしながらも、その次の説明では「一方、日本では50年代以降の長編作品の二本立て、三本立てで番組を組み、毎週新しい作品が封切られて番組内容が入れ替わるといった展開が通例となり、その際に番組を維持するために次々と作られた作品をプログラムピクチャーと呼ぶのが日本では一般的になっている」〔「世界映画大事典」770P参照〕と付け加えている。2015年現在、シネコンで複数の作品の中から自由に選んで見ることができるが、かつては特定の映画館で特定の映画会社の作品だけを見ることが当然とされた。東映作品は東映直営館及び契約館しか上映せず、東宝も松竹も同じように直営館及び契約館でしか見られないのであり、そこで上映される作品は全盛期は1週間単位で、その後は2~3週間単位で2本立てで上映されていた。したがって映画会社が年間スケジュールを立ててこれらの映画を上映予定日から逆算して決められた期間で製作し上映するシステムで、このシステムの上に製作され配給されて、決められた日程で上映される映画をプログラムピクチャーと呼ばれた。 この場合に日本映画は必ずしもアメリカ映画のように明確なB級映画と位置付けられる形態の映画はなく、単に長編物二本立ての上映が多く、添え物というのはあくまで興行側がそう捉えているだけで、実際には添え物の方が観客の記憶に残ったりすることもあり、従ってこの当時の日本映画全てを「プログラムピクチャー」と呼ぶ場合もある。その場合に以下のように別の定義として述べられていることもある。 *日本映画で長く人気ヒットシリーズとなった作品をさす。東映のヤクザ路線、松竹の寅さんシリーズ、東宝の無責任シリーズ、社長シリーズ、若大将シリーズ、大映の座頭市シリーズ、眠狂四郎シリーズなどで、特定のスター中心のプログラムピクチャーによって固定したファン層を掴み安定した興行収益が上がることで、安定した映画の配給と映画製作から興行まで固定しているブロックブッキングを維持することできた。これらの人気シリーズが日本のブロックブッキングを支えたことになる。そして人気シリーズの消滅がプログラムピクチャーの崩壊を招いたと言われている。〔「日本映画のヒット力~なぜ日本映画は儲かるようになったか~」大高宏雄 著 14~17P参照〕 日本映画を長く牽引したのは、嵐寛寿郎「鞍馬天狗」、市川右太衛門「旗本退屈男」、片岡千恵蔵「いれずみ判官」、長谷川一夫「銭形平次 捕物控」、小林旭「渡り鳥」、高倉健「網走番外地」、藤純子「緋牡丹博徒」のように大ヒットでなくても確実に収益が期待できる人気スターのシリーズ物であって、その収益で他の野心作や大作を製作していたことである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「プログラムピクチャー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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