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溶媒(、)は、他の物質を溶かす物質の呼称。工業分野では溶剤(ようざい)と呼ばれることも多い。最も一般的に使用される水のほか、アルコールやアセトン、ヘキサンのような有機物も多く用いられ、これらは特に有機溶媒(有機溶剤)と呼ばれる。 溶媒に溶かされるものを溶質()といい、溶媒と溶質を合わせて溶液()という。溶媒としては、目的とする物質を良く溶かす(溶解度が高い)ことと、化学的に安定で溶質と化学反応しないことが最も重要である。目的によっては沸点が低く除去しやすいことや、可燃性や毒性、環境への影響などを含めた安全性も重視される。また、化学反応では、溶媒の種類によって反応の進み方が著しく異なることが知られている(溶媒和効果)。 一般的に溶媒として扱われる物質は常温常圧では無色の液体であり、独特の臭気を持つものも多い。有機溶媒は一般用途としてドライクリーニング(テトラクロロエチレン)、シンナー(トルエン、テルピン油)、マニキュア除去液や接着剤(アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル)、染み抜き(ヘキサン、石油エーテル)、合成洗剤(オレンジオイル)、香水(エタノール)あるいは化学合成や樹脂製品の加工に使用される。 == 特性の指標 == === 極性・溶解性・混和性 === 溶媒と溶質は大別すると「高極性溶媒(親水性)」と「低極性溶媒(疎水性)」とに区分できるが、比較の問題なので明確な線引きはない。極性は誘電率や双極子モーメント等で評価される。経験則として、高極性物質は高極性溶媒に溶けやすく、低極性物質は低極性溶媒に溶けやすい。これは「似たものに溶ける」と言い表される。具体的には、無機塩(例えば食塩)や糖類(例えばショ糖)など極性の大きい物質は水のような高極性溶媒に溶けやすく、また油や蝋など極性が小さい物質はヘキサンのような低極性溶媒に溶けやすい。また、高極性溶媒と低極性溶媒(例えば、水とヘキサン、食酢とサラダ油)とは相互に混和せず、良く振り混ぜてもすぐに二層に分離する事が多い。溶解性の定量的な指標としては溶解パラメーターが用いられる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「溶媒」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Solvent 」があります。 スポンサード リンク
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