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ヘシェン
ヘシェン（（15px）、 転写：Hešen〔「網辺縄」「紬緞辺子」「綱」「地界」の意〕、和珅、乾隆15年5月28日（1750年7月1日） - 嘉慶4年1月18日（1799年2月22日））は、中国清朝の政治家。字は致斎。乾隆帝の母方である満洲正紅旗の出身。中国の歴史の最も大きい富人で、乾隆帝、嘉慶帝の二帝に仕えたが、軍機大臣として専横の限りを尽くした。乾隆太上皇帝が死ぬと、親政を行おうとする嘉慶帝によって死を賜った。
== 人物 ==
満洲人の旗人の家に生まれるが、家は貧しかった。しかし、乾隆帝の外戚にあたるため宮廷で乾隆帝の輿の担ぎ手として仕えたのを見出され（民間伝承では容貌が乾隆帝が皇子時代、自分のために死なせてしまった父の妃によく似ていたからであるというものがある）、寵臣として出世をし、軍機大臣まで登りつめる。乾隆帝は晩年の1795年には、在位60年を節目に嘉慶帝に皇位を譲ったが、政権は太上皇帝として保持する一方でヘシェンにこれを委ねた。そのため嘉慶帝といえども政治の決定はヘシェンを通じて乾隆上皇に可否を仰がねばならなかった。
ヘシェンはこの地位を利用し専横の限りを尽くし、収賄によって巨万の富を得た。監察御史による弾劾が行われたがヘシェンはそのたびにこれを解任して保身に努めた。ヘシェンの厳しい取り立てに反旗を翻して住民が蜂起した白蓮教徒の乱などが各地で起こった。ヘシェンは兄弟のヘリェン（和琳）を反乱の鎮圧に向かわせたが、腐敗して士気の上がらない清朝正規軍の八旗・緑営ではもはや反乱を鎮圧することが出来ず、郷勇と呼ばれる義勇兵と団練〔後に曽国藩が各地の団練をまとめて湘軍を結成し、太平天国の乱でも鎮圧に活躍した。湘軍が解散された後、不満を持つ将兵の多くがなどに流れ、辛亥革命では大きな影響を与えた。〕と呼ばれる自衛武装集団によって鎮圧した。
1799年1月3日に乾隆上皇が崩御すると、嘉慶帝は親政をおこない、その際に同年1月11日、ヘシェンを罪二十か条を出し弾劾した。群臣は凌遅刑を求めたが乾隆帝の喪中であったため、罪一等を減ぜられてヘシェンには自尽が命ぜられた。ヘシェンの子豊紳殷徳には乾隆帝の娘で、嘉慶帝の妹が降嫁していたために、族滅は免れた。同年1月18日に聖詔を監獄で伝えられたヘシェンは叩頭して感謝の気持ちを表した後に首をくくって自殺した。その財産は没収された。財産は黄金150万両を含む、国家予算15年分に上った。当時の世界情勢から見て、ヘシェンは世界一の富豪であったと考えられる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』
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