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宇野ヘディング事件(うのヘディングじけん)〔あるいは宇野ヘディングエラー。〕は、(昭和56年)8月26日に後楽園球場で行われた読売ジャイアンツ対中日ドラゴンズ19回戦における、中日の宇野勝のエラーである。 == 概要 == 試合は中日の先発の星野仙一の快投の前に巨人打線は沈黙し、7回までわずか2安打で無得点に抑えられていた。中日2-0巨人で迎えた7回裏二死一塁の場面、巨人の藤田元司監督はこの日無安打の1番・松本匡史の打順で山本功児を代打に起用したが、山本の打球は力なくポップフライとなりショート後方へと上がった。ここから「事件」は始まる。 打球を追いかけて後退しながら捕球体勢に入る中日の遊撃手を守っていた宇野勝を見て、球場の誰もがショートフライと思った。左翼手の大島康徳も宇野のすぐ後ろでカバーの態勢を取り、宇野に捕球を任せていた。星野は三塁側ベンチへ引き揚げかけ、観客の中には帰ろうと席を立ちかける者もいた。 しかしここで誰も予想しなかった出来事が発生した。打球を捕球しようとした宇野がナイター照明の光に目がくらみ、目測を誤り捕球に失敗したのである。打球は宇野の右側頭部を直撃、まるでサッカーのヘディングのように大きく放物線を描いて跳ね返り、レフトフェンス際へと転々とした。 宇野は頭を押えてうずくまり〔後に「はたで思うほど痛くなかった」という彼らしい談話を残している。別冊宝島『プロ野球名選手読本』(宝島社) P.260より。〕、カバーに入っていた大島は大きく後逸したボールを追って大慌てでフェンス際へと走り、二塁手の正岡真二も急いで中継プレーの態勢に入った。星野は突然の出来事に三塁―本塁間で呆然としたのちに慌ててバックアップに本塁裏へと走り、捕手の中尾孝義は一塁走者の動きに青くなっていた。 一塁走者の柳田俊郎 「俊郎」に戻したのは翌1982年-->は二死のためスタートを切っておりホームインし1点差。打者走者の山本も三塁を蹴って本塁に突入したが、大島から正岡へ、正岡から中尾へと必死の中継プレーが実り、山本はアウトとなった。 この突然の事件にスタジアムのファンは大爆笑。同点は防げたが、星野はグラブを地面に叩きつけた。その当時、巨人は前シーズンの(昭和55年)8月4日から連続試合得点記録が158試合続いており、この試合は159試合目であった。星野は「巨人の連続得点記録はオレが止める」と並ならぬ気迫で試合に挑んでおり、宇野のエラーは我慢ならない光景だったのである。 「あれで同点になったら、ヘディングどころか自殺点だ。怒ったのは宇野に対してじゃない。完封がなくなったのが悔しかったんや」と星野は取材には大人の対応をしたが、実は怒った理由がもう一つあった。星野は後輩の小松辰雄と「どちらが先に巨人を完封するか」で10万円の賭けをしており〔、宇野のエラーで完封を逃したのである。『あとでカラダ空けとけ!!!』と怒り狂う星野に対し、宇野は『空いてません!!!』と必死に逃げた''(実際は、宇野を気遣った星野から「飯でも食いに行くか」と声を掛けられたが、宇野はちょうど家に田舎から兄が来ており、断ったというのが真相であるらしい''〔『ベースボールマガジン2005秋季号 80年代プロ野球 若大将たちの季節』(ベースボール・マガジン社) P.81 宇野本人へのインタビューより。〕'')''。 試合結果は2-1で中日が勝利。なお、4回には宇野が先制点となる二塁打を打っている。星野は前述の通り完封は逃したが、9回3被安打、1失点、自責点無しで勝利投手となった。なお巨人の連続試合得点記録は約1ヶ月後の9月21日、ナゴヤ球場での中日-巨人22回戦で奇しくも先述の賭けの相手であった小松が完封して174試合で止めた〔。 宇野はこのエラーをきっかけにして一夜で時の人となり、知名度も全国区となった。報道陣に追いかけられ、取材の申し込みが相次ぎ、更にこれをきっかけに『プロ野球珍プレー・好プレー大賞』という番組が定着、宇野本人も50歳過ぎまではこういった特番にも出演して番組を盛り上げていた。 この出来事について、宇野本人は「ヘディング自体は翌日のスポーツ新聞に記事にされることは覚悟していたものの、それよりも『宇野ヘディング事件』。事件と書かれたことには相当堪えた。そもそもの原因は、スパイクのケン(剣=歯)が人工芝に引っかかりそうになったためであり、事件という表現には嫌な響きを感じた」と述べている〔日刊スポーツ連載コラム・伝説「型破り遊撃手・宇野勝のヘディング人生」(2009年(平成21年)9月15日)。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「宇野ヘディング事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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