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ヘピニキ()は、サンバなどブラジル音楽で演奏する打楽器の一つである。現在ブラジルや日本を問わず、一般的にはこの楽器を総称してヘピニキと呼ばれることが多くなっているが、本来の正式名称は「ヘピーキ」(Repique)である(後述)。もとはスルドの一種として、スルド・ジ・ヘピーキと呼ばれた。 == 形状・奏法 == 10~12インチの胴にナイロン製のヘッドを張り、高めにチューニングした両面太鼓。かつてヘッドの材質は山羊皮が張られていたため、今とは違い低めのチューニングでテンポもやや遅かった。しかし1978年にナイロン製のヘッドに変わったことでチューニングも高くなり、テンポが速くなった。 片手でバケッタ(バケタとも)と呼ばれるヘピーキ専用のスティックで打面を叩き、もう一方の手は平手でリムにかかるようにアクセントをつけて打面を叩き、16分音符の4連符を演奏するのが一般的である。ブラジルでは長さ30cmほど、直径2~3cmの太い木製のバケッタが多く使われる。 冒頭で述べているように、本来この楽器を総称した正しい名称はヘピーキである。日本ではこの楽器を総じてヘピニキと呼称するが、これは誤りで正しくない。また日本では楽器のサイズもほぼ統一されたものを使用し、ドラムスティックで叩く場合も多いが、ブラジルでは異なる。 ヘピーキとヘピニキはどちらも同じ楽器であるが、その名称の違いはエスコーラ・ジ・サンバやブロコにおけるバテリアと呼ばれる打楽器隊の編成のパートとサイズで異なる。打楽器隊が演奏する際のスタートや途中でいったん全体の演奏をストップさせるブレッキ(ブレーキの意)、またパラジーニャと呼ばれるコール・アンド・レスポンスの際に、合図的な役割を果たすパートをヘピニキと呼び、ヘピーキより大きめのサイズで、30cm、直径2~3cmのヘピニキ専用のバケッタがブラジルで一般的に使われる。ヘピーキはそれ以外の全体演奏とシンクロして演奏するため、ブレッキやパラジーニャでは演奏しない。またカイシャでも使われる長さ40cm、直径1.5cmの木製のバケッタが使われる。 ヘピーキの仲間としては、片面だけヘッドを張った打面をバケッタを使わずに平手で叩くヘピーキ・ジ・マゥン(Repique de mão、マゥンは手の意)、両面にヘッドが張られて打面を平手で叩き、胴を指につけた指輪で叩いて音を出すヘピーキ・ジ・アネゥ(Repique de Anel、アネゥは指輪の意)がある。なおこれらはパレード、カーニバルなどの大人数編成ではなく、パゴーヂなどの少人数編成のサンバ演奏で演奏される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヘピニキ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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