翻訳と辞書
Words near each other
・ ヘリアデス
・ ヘリアンジン
・ ヘリアー
・ ヘリウム
・ ヘリウム2
・ ヘリウム3
・ ヘリウム4
・ ヘリウムの同位体
・ ヘリウムガス
・ ヘリウムネオンレーザー
ヘリウムフラッシュ
・ ヘリウム・フラッシュ
・ ヘリウム原子核
・ ヘリウム希釈冷凍サイクル
・ ヘリウム惑星
・ ヘリウム星
・ ヘリウム燃焼過程
・ ヘリウム融合
・ ヘリエダーレン地方
・ ヘリオ (小惑星)


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

ヘリウムフラッシュ : ミニ英和和英辞書
ヘリウムフラッシュ
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


ヘリウムフラッシュ : ウィキペディア日本語版
ヘリウムフラッシュ
ヘリウムフラッシュ(Helium flash)とは、太陽質量の約0.5倍から2.25倍程度の比較的軽い恒星の核や降着が起こっている白色矮星の表面で見られるヘリウム核融合の暴走である。
この規模の恒星内において、ヘリウムが縮退している状態、即ち熱圧力よりも量子力学的圧力の大きさのほうが支配的で、核融合反応を起こしている部分の体積がもっぱら量子力学的圧力と重力との釣り合いによって定まっている状態になると、温度が少々上昇しても体積は変化しない。このため、何らかの理由で核融合反応が加速し温度が上昇しても、その部位の体積の膨張やそれに伴う冷却にはつながらず、温度上昇はさらなる核融合を促すことになる。その結果、ヘリウムの核融合反応が急激に進行し大量のエネルギーが放出される。これは、核融合反応をしている領域が十分高温になって、熱圧力が再び支配的になるまで続く。熱圧力が十分大きくなれば、それに応じて反応領域は膨張し温度が下がるため、核融合反応の加速が抑えられ暴走は止まる。部分的に似ているが暴走には至らない過程は、大きな恒星の外層の殻でも起こる。
==核でのヘリウムフラッシュ==
質量が太陽の2.25倍以下の恒星では、核内で水素を消費し尽くし、熱圧力が重力崩壊に耐えられなくなると、核ヘリウムフラッシュが発生し、恒星は収縮を始める。収縮の間、外層で水素の核融合が始まって外側に膨張し、赤色巨星の段階が始まるまで、核は熱くなり続ける。重力により収縮を続ける恒星は、最終的に縮退物質になるまで圧縮される。縮退圧力は、最終的に最も中心の物質の崩壊を止めるのに十分な強さになる。核内に残った物質は縮退を続け、温度は上昇し続け、ヘリウムが核融合を開始できる温度(?1016K)に達するとヘリウム点火が起こる。
ヘリウムフラッシュの爆発的な性質は、縮退物質で生じることに由来する。一度温度が1億から2億ケルビンに達し、トリプルアルファ反応を利用したヘリウム核融合が開始すると、温度は急激に上昇し、さらにヘリウム核融合の速度は上がり、また縮退物質は良い熱伝導体になるため、反応範囲は広がる。
縮退圧力(密度のみの関数となる)は熱圧力(密度と温度の積に比例する)に比べ優位であり、合計の圧力は温度にほとんど依存しない。そのため、温度が大幅に上がっても圧力は少ししか上昇せず、核の膨張による安定化はされない。
この暴走反応では、熱圧力が再び優勢になり、縮退が終わるまでの数秒間のうちに、通常の恒星のエネルギー生産の約1兆倍に達する。その後、核は膨張して冷え、安定したヘリウムの燃焼が続く〔
〕。
核の外でヘリウムを燃やし、縮退を始めている約2.25太陽質量を超える恒星は、このタイプのヘリウムフラッシュを見せない。約0.5太陽質量以下の非常に軽い恒星では、核はヘリウム点火が起こる程には加熱されない。縮退ヘリウムの核は圧縮を続け、最終的にはヘリウム白色矮星になる。
ヘリウムフラッシュは、電磁波の放射として直接観測されることはない。フラッシュは、恒星の内側深くの核で起こり、放出エネルギーは全て核で吸収され、縮退状態は解消される。以前のコンピュータによる解析では、同じ状況で非破壊的な質量の喪失が起こり得ることが示されたが〔Two- and three-dimensional numerical simulations of the core helium flash by Deupree, R. G.〕、後にニュートリノの質量喪失を考慮に入れたモデルでは、質量喪失は起こらないという結果が得られた〔A Reexamination of the Core Helium Flash by Deupree, R. G.〕〔Multidimensional hydrodynamic simulations of the core helium flash in low-mass stars by Mocak, M.〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ヘリウムフラッシュ」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.