|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
ヘルマン・バウジンガー(Hermann Bausinger, 1926年9月17日 - )は、ドイツの民俗学者、ゲルマニスト。 == 来歴・人物 == ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州アーレン市に生まれる。テュービンゲン大学教授として民俗学科にあたる経験型文化研究学科とその教員・研究者組織ルートヴィヒ・ウーラント研究所を主宰した。 1960年頃から民俗学の刷新に向けて方法論を提唱して民俗研究の改革における世界的なオピニョン・リーダーとなり、その学説は今日では口承文芸から国民性論やスポーツ文化にいたる民俗研究全般にわたって基礎理論の性格をもっている。日本では河野眞などによって翻訳がおこなわれている。 <科学技術世界>の理論:科学的な技術機器との交流が<自然な>状態となっているのが現代社会であることを考察の出発点としている。そのために、機器の構造である<科学技術そのもの>に対して、日常生活における技術機器との交流の場を指す<科学技術世界>の概念が措定される。たとえば、テレビは技術機器であるが、テレビの視聴者にとってテレビの技術的構造は無関係で、テレビは道具として存在する。ただしハンマーや荷車の道具性に対して技術機器は、道具存在(=マルティン・ハイデッガーの術語)の本質をより鮮明に発揮し、それは三種類の様相として取り出すことができる。1.魔法としての科学技術、2.<自然なもの>としての科学技術、3.退行を喚起するものとしての科学技術。なお<退行>とは、成長過程における後ずさり現象を指す心理学用語で、たとえば幼児が弟や妹の誕生とともに親の愛情をもとめて一旦習得した生活習慣から後退することなどを指す。バウジンガーは、民俗学を成り立たせる基本要素である懐旧志向は社会を広くおおう<退行>であり、近・現代社会の特質であるとしている。 この科学技術世界の三つの契機を踏まえて、近・現代社会に民俗事象が発現する(外見的には古い習俗の継続と見える現象を含む)仕組みを、空間・時間・社会の三つの次元とからみあわせて論じている。なお民俗研究における空間・時間・社会の三次元の規準は1950年代にドイツへ紹介されたスウェーデン学派の理論を取り入れている。ー 一口に言えばバウジンガーは、科学技術の普及とともに民俗文化が衰微消滅すると見るのが民俗学者たちの通念となっているなか、通念とは裏腹に民俗学は最も大きな対立要素として挙げてきた科学技術について考察を怠っていたと批判し、技術機器の道具存在性に民俗事象発現の契機をさぐった。1959年にテュービンゲン大学に教授資格申請論文として提出され、1961年に刊行されるとともに欧米の約15カ国で100種類近い書評が現れるなど反響を呼んだ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヘルマン・バウジンガー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|