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代数トポロジーでは、ベッチ数 (Betti numbers) は位相空間を ''n'' 次元単体的複体の連結性で識別することに使う。 図に示したように、''n'' 次ベッチ数は、''Hn'' と書き、''n'' 次ホモロジー群のランクを表していて、2つのピースあるいは、0-サイクル、1-サイクルなどへと曲面が分離せずに切り込みを入れることのできる最大数であることなどが分かる。ベッチ数は、今日、単体的複体や計算機科学やデジタル画像などの分野で研究されている。 「ベッチ数」ということばは、エンリコ・ベッチ(Enrico Betti)にちなみ、アンリ・ポアンカレ(Henri Poincaré)により命名された。 ==定義== インフォーマルには、k 番目のベッチ数は、非連結な k-次元曲面の数のことを言う.先頭のいくつかのベッチ数は次のように定義される。 * b0 は連結成分の数 * b1 「円のような」、もしくは 1-次元の穴の数 * b2 中身のない面でできている 2-次元の穴の数 2-次元ベッチ数までは、現実の世界は 0, 1, 2, 3-次元であることを見ているので、容易に理解することができるが、次のように高次元のベッチ数を理解しようとすることはより難しくなる。 (正式な一般次元のベッチ数の定義としては、)非負の整数を k として、空間 X の k 次ベッチ数 bk(X) は、X の k 次ホモロジー群である Hk(X) のランクとして定義される。この場合のホモロジー群は、有理数体 Q 上のベクトル空間である。k 次ホモロジー群は であり、 は単体的複体の境界写像であるので、Hk のランクは、k次ベッチ数である。同値なことであるが、この場合にはホモロジー群は有理数体 Q 上のベクトル空間とすることもできるので、Hk(''X''; Q) のベクトル空間の次元としてベッチ数を定義することもできる。普遍係数定理は、ねじれのない単純な場合には(係数の取り方に依存せず)これらの定義が同じであることを示している。 さらに一般的には、体 F に対して、F に係数を持つ k 次ベッチ数 bk(X, F) を、Hk(X, F) のベクトル空間の次元として定義することができる。
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