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ペイズリー () は、模様(文様)のデザインの一種。衣類、壁紙、カーテン、ソファー、ネクタイなどの装飾に使われる。 19世紀にイギリスのペイズリー市でこの柄の織物が量産されるようになり、模様は生産地の名前を取った「ペイズリー」と呼ばれるようになった。日本語では松毬(しょうきゅう)模様と訳され、勾玉模様とも言われる。 == 模様の特徴 == 模様の優美な曲線、草花を元にしたモチーフが繰り返されるリズムは、人間の心理に安心感を与える効果があると考えられている〔福永「ペズリー模様の起源と今日までのデザイン・プロセスについての研究」『倉敷市立短期大学研究紀要』25号、94頁〕。模様の向き、配置のパターンに変化を付けることができ、空間の構成の自由度が高いため、用途に応じたデザインをすることができる〔。ペイズリーの形はゾウリムシやミドリムシなどの原生動物、植物の種子・胞子・果実、花弁、ボダイジュなどの葉、初期段階の胎児、尾を引いた生命の塊などに例えられ、生命力や霊魂と結び付けられることもある〔西上『世界文様事典』、138,140-141頁〕。ペイズリーの発祥の地として挙げられているイラン、インドでは本来模様が持っていた宗教的意味や象徴性は忘れられ、単純に装飾として使われている〔西上『世界文様事典』、142頁〕。 模様のモチーフはボダイジュ、ナツメヤシ、ザクロ、ヒマラヤ山脈から吹き付ける強風で曲がったイトスギなど諸説ある〔西上『世界文様事典』、138,141-142頁〕。ペイズリーの周辺に蔓を伸ばし、花を咲かせた構図が多く、ペイズリー自体に花や葉が描かれることもある〔西上『世界文様事典』、141頁〕。ペルシア風の花鳥文を交互に配置した文様がインドに影響を与え、やがて花の形が抽象的な文様に変化していったと考えられている〔視覚デザイン研究所・編集室『ヨーロッパの文様事典』、290-291頁〕。19世紀末のヨーロッパで発生したアール・ヌーヴォーの潮流はペイズリーにも影響を与え、細長い葉が風に揺らぐ、水が流れるようなデザインが多く生み出された〔福永「ペズリー模様の起源と今日までのデザイン・プロセスについての研究」『倉敷市立短期大学研究紀要』25号、95頁〕。 紋織物にデザインされたペイズリーは線が固く、同一の並びのパターンが連続するものになりがちだった〔道明「ペイズリー文様の系譜」『中東研究』NO.457、40頁〕。カシミア・ショールに使われる綴れ織、刺繍はモチーフの色や形を自由に調整することができるためにペイズリー模様は曲線的になり、複雑化した輪郭は布地に溶け込んでいくようになった〔。カシミール地方でカシミアに織り込まれたペイズリー模様には再現不可能とも言われる難解な技術が使われており〔道明『すぐわかる世界の染め・織りの見かた』、43頁〕、19世紀にカシミア・ショールの模造品が生産されていたイギリスではカシミアと同質の羊毛が入手できず、羊毛に木綿や絹を織り込んで間に合わせていた〔。初期のペイズリーには藍、アカネの根、ブドウの葉、クルミの殻、ザクロの皮から採取されたと思われる自然の染料が使用されていたが、イギリスで生産されるようになった後には化学染料が中心になる〔。 イタリアのアパレル企業であるエトロ、が立ち上げたラッティはペイズリーをあしらった製品で知られている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ペイズリー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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