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イラン料理あるいはペルシア料理は、イラン(イラン・イスラム共和国)で食べられている料理の総称。 == イラン料理の特色 == 料理の味付けは薄めで、ふんだんに使われた香草と香辛料で風味が付けられている〔『ケンブリッジ世界の食物史大百科事典』1、116-118頁〕。果物と香草がふんだんに使用され、食材として用いるほかに保存のために乾燥、瓶詰め、ペースト状に加工されることもある〔ラハバ、長谷川『家庭で楽しむペルシャ料理』、5頁〕。香辛料ではサフランとシナモンが、香草ではイノンドとコリアンダーの実が多く使われる〔。食材は温・冷・乾・湿の4種類に分類され、分類に基づいた食材の組み合わせがされている〔。また、それぞれの性質は気候や体調に応じて使い分けられている〔。甘酸っぱい味付けが特徴で〔『世界の食べもの』合本5巻、64頁〕、デザートではない一つの料理に甘味のある食材と甘味の無い食材を使用する点に特徴がある〔。このため、ホウレンソウとプルーンを使った仔羊のシチュー、酸味のあるサクランボ(あるいはザクロ)のソースとアヒルの肉を合わせた料理が作られる〔。イランでは酸味が好まれるため、卓上にはライムのしぼり汁が調味料として置かれることもある〔。甘味と酸味を組み合わせた料理は、サーサーン朝時代にまで遡ることができる〔。 日本、欧米で流通するイラン料理を紹介した料理書の多くは、日常の食生活からかい離した豪華な料理が主であり、それらの国ではイラン料理に「贅を尽くした華美な料理」という印象が構築された〔佐藤「地方料理文化と現代の食生活」『地域文化研究』3、85-86頁〕。また、「国民食」といえるイラン国民共通の料理の数は限られているため、ペルシア語によるイラン料理の本の多くにはフランス料理を意識したと思われる西欧料理、イラン料理と西欧料理の混合料理がページ数を埋めるために掲載されている〔佐藤「地方料理文化と現代の食生活」『地域文化研究』3、86頁〕。 イランの人間は料理に対する工夫に無頓着だと言われ、料理人の間で入手しうる食材の質の低下などの食事情の変化に対応した新たな料理法が考案される兆しは見られていない〔上岡『イラン』、52-54頁〕。イラン国内のレストランで供される料理の味付けは塩気と油分が強く、出される料理のほとんどが羊肉の料理で占められている〔上岡『イラン』、50,57-58頁〕。イラン文化の研究者だけでなく、アラブ世界の研究者からもしばしばイランにおける外食料理の質の低さが指摘される〔上岡『イラン』、49,59頁〕。イラン人から自国の外食料理とサービスの質に疑問が投げかけられないことが不思議に思われているが〔上岡『イラン』、58頁〕、イラン人は料理ではなく「外食をする行為」に価値を見出しているためだとする解釈がある〔上岡『イラン』、65頁〕。 一方、家庭料理では豊富な種類の料理が供され、季節ごとに旬の食材が使われる〔上岡『イラン』、64-65頁〕。イランには「最高のシェフは家庭にあり」という言葉があり、主婦たちは各家庭に伝わるレシピを元にして家族や来客たちのために様々な料理を作る〔ラハバ、長谷川『家庭で楽しむペルシャ料理』、4頁〕。スーペ・ジョウ(大麦のスープ)の味一つをとっても自家製のものとレストランのものでは大きな違いがあり、時間をかけて出汁をとった美味なスープは家庭料理ならではの一品である〔上岡『イラン』、62頁〕。レストランとは逆に、家庭料理ではメインディッシュの後に生野菜のサラダが出され、それぞれの家庭には工夫を凝らした独自のドレッシングのレシピが存在する〔。 外食、家庭料理のいずれでも大量の料理が出される点にイラン料理の特徴があり〔上岡『イラン』、49頁〕、メフマーンナヴァーズィー(客人のもてなし)の精神に則って大皿に山盛りの料理や果物が乗せられて供される〔上岡『イラン』、62-63頁〕。パーティーでは料理書のように豪華な料理が出され、貧しい人間も賓客をもてなすために極力豪華な料理を出そうとするが、日常食べる料理はコストパフォーマンスを勘案して費用を抑えたものになっている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イラン料理」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Iranian cuisine 」があります。 スポンサード リンク
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